事業領域の拡大によるデザイン制作が増え、現在のオフィスに加えて新たな拠点が必要となった。現在のオフィスが「動」だとすると、今回のオフィスは「静」の空間として、没頭することを念頭に計画されている。
先人は「何もないことは豊かなことである」と説いた。入居するデザイナーがシンプルな空間から見える本質や、自然界の儚さ・尊さを美しいと思える感性を養いながら働き、そしてデザインに没頭してもらうことを願い、計画された。
執務スペースをすべて壁向きにして没頭感を最大限に高めた。壁向きレイアウトの中心にBIGテーブルを配置することで、後ろを向くとすぐにショートミーティングが出来るなど、クイックな状況変形が可能となっている。空間デザインは無加工の梁と柱のみで構成されたストイックなしつらえとしている。また元々あった庭の風景を借景として空間に引き込み、没頭の中にオアシスを組み込んだ。
東京都港区
2021.05
297㎡
富士フイルムホールディングス
照明計画 ModuleX
興和不動産ファシリティーズ IDEX
Nacasa & Partners
German Design Award Special Mention
日本空間デザイン賞
SDA 日本サインデザイン賞
「はたらく」ことから「まなぶ」「くらす」ことへ。小さなものから大きなものまでスケールにとらわれずデザインすることで、これまで気づかなかったより豊かな日常が生まれると考えています。
よりよいものは当たり前な日常の中に潜んでいます。わたしたちは文具といった小さなものから建築という大きなものまで、ひとつひとつを丁寧に、スケールを行き来しながら行為やその場所を作ることを大切にしています。これからの日常をつくるために、まずひとつながりの日常を行為で分解し、一人ひとりが、もっと自分らしく、もっとワクワクする組み合わせを考えていきます。たくさんの行為がいきいきと結びつくことで、WORKとLIFEはより豊かになるに違いありません。「はたらく」ことから「まなぶ」「くらす」ことへ。そこに生まれるいくつもの行為 を想像し、これまで気づかなかった次の日常をデザインしていきます。