独立系ベンチャーキャピタルANRIによる、インターネット領域およびディープテック領域の投資先を一同に集結させたインキュベーション施設。創業期の起業家にとって孤独を感じずに事業に専念する「場」や情報が得られる「コミュニティ」のデザインを求められた。
デザインしたのは求心力を生む「サークル」。施設中央にコア機能を配置しながら円環状に動線をつくり、同時に垂直方向にも起伏に富んだ地形のようなデザインを取り入れる。これにより、事業に専念する空間とコミュニティを形成する空間、一見相反する関係形成を無理なく同居させることを目指した。
起業家同士のコミュニケーション活性化のため、施設中央に大きなカフェスペースを設けながら、 起業家コミュニティを強化するためのイベントスペースも同時に内包した。カフェとイベントスペースをコアに、外周にめぐらされた回遊性のある動線は、情報やコミュニケーション、活気を施設全体へ届ける施設の大動脈として機能する。
「はたらく」ことから「まなぶ」「くらす」ことへ。小さなものから大きなものまでスケールにとらわれずデザインすることで、これまで気づかなかったより豊かな日常が生まれると考えています。
よりよいものは当たり前な日常の中に潜んでいます。わたしたちは文具といった小さなものから建築という大きなものまで、ひとつひとつを丁寧に、スケールを行き来しながら行為やその場所を作ることを大切にしています。これからの日常をつくるために、まずひとつながりの日常を行為で分解し、一人ひとりが、もっと自分らしく、もっとワクワクする組み合わせを考えていきます。たくさんの行為がいきいきと結びつくことで、WORKとLIFEはより豊かになるに違いありません。「はたらく」ことから「まなぶ」「くらす」ことへ。そこに生まれるいくつもの行為 を想像し、これまで気づかなかった次の日常をデザインしていきます。