三菱鉛筆は、創業150年にあたる2036年に向けて、「世界一の表現革新カンパニー」になることを長期ビジョンとして策定。本社がある東京・大井町に、地域住民とクリエイター、そして社員の接点をつくるためのスタジオが誕生した。文房具やアート、書籍などを通して「表現」に出会い、触れることができる。
展示台や本棚には実際の鉛筆を使用している。約9300本の鉛筆、大きな紙のような弧を描く天井、三菱鉛筆を象徴する光沢のある えび茶色 が空間のキーエレメントである。スタジオ内には柔らかな木の香りが漂い、懐かしい創作の原体験を想起させる。
スタジオは子供から大人まで、誰でも楽しめる空間としてデザインを工夫している。創作に没頭しながら、直感的に書く・描くを愉しめるように、学校の図工室のような雰囲気を目指した。大きな紙のような弧を描く天井は、伸びやかでクリエイティブなアクティビティを創発させる。
「はたらく」ことから「まなぶ」「くらす」ことへ。小さなものから大きなものまでスケールにとらわれずデザインすることで、これまで気づかなかったより豊かな日常が生まれると考えています。
よりよいものは当たり前な日常の中に潜んでいます。わたしたちは文具といった小さなものから建築という大きなものまで、ひとつひとつを丁寧に、スケールを行き来しながら行為やその場所を作ることを大切にしています。これからの日常をつくるために、まずひとつながりの日常を行為で分解し、一人ひとりが、もっと自分らしく、もっとワクワクする組み合わせを考えていきます。たくさんの行為がいきいきと結びつくことで、WORKとLIFEはより豊かになるに違いありません。「はたらく」ことから「まなぶ」「くらす」ことへ。そこに生まれるいくつもの行為 を想像し、これまで気づかなかった次の日常をデザインしていきます。