八王子の郊外にある研究所の食堂。研究室に籠りながら日夜仕事を行う社員にとって、愛される食堂、憩いの場をつくることが求められた。
「自分達でできるところは自分たちでつくる」
クライアント参加型ビルドを醸成することよって、社員が「これが私たちのイートスタイルだ」と感じられる空間を目指した。
自分で手作りした家や庭に「ああ、これが私のライフスタイルだ」と感じることがある。このプロジェクトでは、クライアントと共にサインを手作業で作り、照明を取り付け、何度もお皿を探しに歩き周った。空間に使われる素材は、例えば、内装下地材や量販のテーブル脚など、安価で手に入り易くはあるが本物にこだわり、組み合わせることで素材の持つ力強さを引き出す空間が実現した。これはまさに、日清食品が目指す「らしさ」である。
東京都八王子市
2017.03
446㎡
日清食品ホールディングス
チョークアート CHALKBOY
竹中工務店 コクヨ
Nacasa & Partners
商店建築2018年7月号
「はたらく」ことから「まなぶ」「くらす」ことへ。小さなものから大きなものまでスケールにとらわれずデザインすることで、これまで気づかなかったより豊かな日常が生まれると考えています。
よりよいものは当たり前な日常の中に潜んでいます。わたしたちは文具といった小さなものから建築という大きなものまで、ひとつひとつを丁寧に、スケールを行き来しながら行為やその場所を作ることを大切にしています。これからの日常をつくるために、まずひとつながりの日常を行為で分解し、一人ひとりが、もっと自分らしく、もっとワクワクする組み合わせを考えていきます。たくさんの行為がいきいきと結びつくことで、WORKとLIFEはより豊かになるに違いありません。「はたらく」ことから「まなぶ」「くらす」ことへ。そこに生まれるいくつもの行為 を想像し、これまで気づかなかった次の日常をデザインしていきます。