工場での生産に関わる従業員の多様な働き方を支援する目的で計画された。人材確保につながる環境整備に加え、この施設を利用する親子が地元・相馬に対して、また、IHIに対して愛着や好感を持つための機会を提供する場となることを目指した。
コンセプトは「広い世界とのつながりを感じる保育園」。建築、内装、グラフィック等において、相馬事業所の事業領域である「空・宇宙・飛行機」や、相馬市の「海」をイメージできるさまざまな工夫を行なっている。
各部屋の呼称を、相馬事業所の事業領域から連想した「ほし」「つばさ」「そら」とし、関連するモチーフをフローリングの刻印や家具の形状に採用することで、親の仕事への興味・関心を育てる工夫をしている。また、震災によって甚大な被害を受けた地元・松川浦に生息する魚を調査して描いたグラフィックを壁一面に配することで、地元への愛着心を持ってもらうとともに、美しい松川浦の復興への想いを込めている。
福島県相馬市
2017.04
150㎡
IHI
環境グラフィック計画 セセンシトカ
ニット刺繍 あむえこねっと
セイユー建設 コクヨ
エスエス東京 堀越圭晋
DSA 日本空間デザイン賞
SDA 日本サインデザイン賞
「はたらく」ことから「まなぶ」「くらす」ことへ。小さなものから大きなものまでスケールにとらわれずデザインすることで、これまで気づかなかったより豊かな日常が生まれると考えています。
よりよいものは当たり前な日常の中に潜んでいます。わたしたちは文具といった小さなものから建築という大きなものまで、ひとつひとつを丁寧に、スケールを行き来しながら行為やその場所を作ることを大切にしています。これからの日常をつくるために、まずひとつながりの日常を行為で分解し、一人ひとりが、もっと自分らしく、もっとワクワクする組み合わせを考えていきます。たくさんの行為がいきいきと結びつくことで、WORKとLIFEはより豊かになるに違いありません。「はたらく」ことから「まなぶ」「くらす」ことへ。そこに生まれるいくつもの行為 を想像し、これまで気づかなかった次の日常をデザインしていきます。