パレスホテルから外堀通り沿いの赤坂への移転案件。一等地への移転のため、外部への企業ブランディングを強く訴える絶好の機会から、ファサードに対しエジプトの建築様式(マシュラビーヤ)をモチーフとすることを考えた。
マシュラビーヤとは外からの視線を遮断する伝統格子窓。これをダブルスキンのパンチングを用いて現代に再現。さらにピラミッド・ナイル川などエジプトのストーリーを幾何学を用いデザインし、ブランディング効果を高めた。
昼間は一切中が見えない黄金のファサードに、夕暮れとともにピラミッド形状のホログラムモアレが浮き上がり、幻想的なファサードが通りを歩く人たちを惹きつける。昼の視線の遮断と夜のホログラム化現象は、開口の小さい三角形の内側パネルと開口を反転した外側パネルの光の屈折によって起こる。これらは社員のモチベーションが向上し、マインド変革につながることを願い、社外だけでなく社内ブランドへの再回帰も意図した。
東京都港区
2009.1
400㎡
エジプト航空
照明計画 ModuleX
プロデュース コクヨ 嶋倉幸平
コクヨ
Nacasa & Partners
SDA 日本サインデザイン賞
DDA 日本ディスプレイデザイン賞
商店建築2009年12月号
「はたらく」ことから「まなぶ」「くらす」ことへ。小さなものから大きなものまでスケールにとらわれずデザインすることで、これまで気づかなかったより豊かな日常が生まれると考えています。
よりよいものは当たり前な日常の中に潜んでいます。わたしたちは文具といった小さなものから建築という大きなものまで、ひとつひとつを丁寧に、スケールを行き来しながら行為やその場所を作ることを大切にしています。これからの日常をつくるために、まずひとつながりの日常を行為で分解し、一人ひとりが、もっと自分らしく、もっとワクワクする組み合わせを考えていきます。たくさんの行為がいきいきと結びつくことで、WORKとLIFEはより豊かになるに違いありません。「はたらく」ことから「まなぶ」「くらす」ことへ。そこに生まれるいくつもの行為 を想像し、これまで気づかなかった次の日常をデザインしていきます。