築30年を経過した研究開発施設の中央に位置する共用ラウンジのリニューアル。大きく3部門に分かれた組織構造から、部門間のコミュニケーションが発生しにくいという課題が生じていた。
企業内の施設でありながら、街中のコワーキングスペースのような通常のオフィスとは異なる雰囲気を演出することで、オフィスでもラボでもない3rdプレイスとしてくつろいだ対話や新しいつながりを生むことを目的とした。
ミーティングやセミナー、タッチダウン、リフレッシュなど様々な用途で使用できるセッティングを点在させた。また、掲示板やデジタルサイネージを設置することで、この場所に滞在する人だけでなく飲み物を買いに立ち寄るなどの短時間の利用でも、自然と情報やその場の空気感の伝達が促進される。奥のエリアでは隣接する茶室との連続性を生むことで、既存施設の活性化を狙った。
DSA 日本空間デザイン賞
「はたらく」ことから「まなぶ」「くらす」ことへ。小さなものから大きなものまでスケールにとらわれずデザインすることで、これまで気づかなかったより豊かな日常が生まれると考えています。
よりよいものは当たり前な日常の中に潜んでいます。わたしたちは文具といった小さなものから建築という大きなものまで、ひとつひとつを丁寧に、スケールを行き来しながら行為やその場所を作ることを大切にしています。これからの日常をつくるために、まずひとつながりの日常を行為で分解し、一人ひとりが、もっと自分らしく、もっとワクワクする組み合わせを考えていきます。たくさんの行為がいきいきと結びつくことで、WORKとLIFEはより豊かになるに違いありません。「はたらく」ことから「まなぶ」「くらす」ことへ。そこに生まれるいくつもの行為 を想像し、これまで気づかなかった次の日常をデザインしていきます。