人と文化のつながりを大切にすること、ひとつの企業では成しえないことに挑戦すること。社内外で新しいコミュニケーションが生まれ、時間や場所、既存のルールに縛られず、ひとりひとりが自分らしい時間を過ごしながら多様な働き方を実現することを目指して、今回のリニューアルでは「人と人の出会い」「人と本の新しい関係」に着目した。
計画したのは、人と本のための丘。従来の平坦なフロア構成には見られなかった、起伏に富んだ地形の操作により、有機的な丘のような風景を生み出した。人々の姿が遠くまでつながり、積みあがる本棚はまるで町並みのように見える。
幾重にも重なる本棚に挟まれ、多様な居場所が展開していく。働く合間に、休憩の合間に、ふと人や本と出会うことができる。天井には緩やかなアーチを連ねることで奥行きを強調し、立体的で広がりのある空間を演出している。ピンクの床は空間全体に火照りを生み出し、オフィスにはない活気をつくる。レンガや木などの手触り感のある素材をはじめ、枯葉や古紙といったサステナブルな素材も随所に採用している。
東京都千代田区
2023.02
1017㎡
日販グループ
植栽 日緑 家具ディスプレイ DULTON
ライブラリ選書 文喫 照明 HIBIKI
サイン DELICIOUS COMPANY
ザイマックス コクヨ
鈴木文人写真事務所 鈴木文人
Red Dot Award
German Design Award Winner
Sky Design Awards Shortlist
MUSE Design Award Silver
日本空間デザイン賞 Longlist
「はたらく」ことから「まなぶ」「くらす」ことへ。小さなものから大きなものまでスケールにとらわれずデザインすることで、これまで気づかなかったより豊かな日常が生まれると考えています。
よりよいものは当たり前な日常の中に潜んでいます。わたしたちは文具といった小さなものから建築という大きなものまで、ひとつひとつを丁寧に、スケールを行き来しながら行為やその場所を作ることを大切にしています。これからの日常をつくるために、まずひとつながりの日常を行為で分解し、一人ひとりが、もっと自分らしく、もっとワクワクする組み合わせを考えていきます。たくさんの行為がいきいきと結びつくことで、WORKとLIFEはより豊かになるに違いありません。「はたらく」ことから「まなぶ」「くらす」ことへ。そこに生まれるいくつもの行為 を想像し、これまで気づかなかった次の日常をデザインしていきます。