1988年(昭和63年)倉俣史朗「ミス・ブランチ」を発表
【コクヨのものづくりの原点】
世界的デザイナー倉俣史朗氏の代表作「ミス・ブランチ」。
ここには、コクヨが一流のデザイナーとおこなってきたものづくりの原点があります。
1987年、家具商品のデザイン見直しをはかるにあたり、当時コクヨの副社長だった黒田章裕(現・社長)が建築家、安藤忠雄氏を介して倉俣氏とであったことがキッカケでした。
倉俣氏はありきたりの事務椅子ではなく、働く人がそれぞれの椅子を選べるようなアイデアを提案し、バラの模様の生地を張った事務椅子を制作しました。そしてこれを、同時期にデザインしていたアクリルの中にバラの造花を封じ込めたチェア(ミス・ブランチ)とともに、1988年アクシス・ギャラリーで開催された「KAGU展」に出展、コクヨはそのスポンサーとして協力しました。
【世界で唯一の最初のプロトタイプ】
世界でただ一つしかない、ミス・ブランチの最初のプロトタイプは、コクヨで大切に保管されています。一般に知られるミス・ブランチは、このプロトタイプを元に、アームのデザインを変更したものです。ほとんどが手作りに近く、高価だったため、世界に60脚程度しか製造されず、今ではミュージアムなどでしか見ることが出来ません。
倉俣氏が1991年急逝すると、コクヨは世界的作品の権利が分散することなく正当に保護されることを願い、著作権継承者であるクラマタデザインオフィスに、ミスブランチに関する製造販売権を返却しています。