×早稲田大学 三家教授チーム
実験参加者は、活性度を測るための脳血流測定装置と心拍計を装着した状態で、条件の違うチェアに一定時間着座し、ブラウジング(スマートフォンを使った情報検索)を行いました。実験者は、ブラウジング時の姿勢の変化を目視で確認し、ブラウジング終了後にヒアリングを実施しました。
脳血流と心拍それぞれの測定器を設置した状態で背120°のラウンジチェア試験モデルに着座。肩甲骨から頭を起こす角度を10°、20°、30°、40°の4パターンをランダムに設定し、その間実験参加者はブラウジングを行いました。その後アンケートとヒアリングを実施。背角度120°でブラウジングを行う際、最適な頭の立上り角度を測定しました。(N=5)
ブラウジングのしやすさと集中度を見ると、共通して20°と30°がよいと評価されます。一方、10°と40°のときは、実験参加者によって評価が分かれ、使いやすいとは言えません。
※人間工学的手法による休息用椅子において推奨される角度条件の検討/岐阜県生活技術研究所研究報告
脳血流と心拍それぞれの計測器を設置した状態で、3パターンのチェアに着座しブラウジングを行いました。その後アンケートとヒアリングを実施。チェア各機能(120°の背角度有無、肩甲骨から頭を起こすハイバック機構有無、上腕から支える肘形状有無、周囲から視線を遮るシェード有無)を比較することにより、各機能の必要性と効果を測定・実証しました。(N=16)
LF/HFは、数値が低いほど副交感神経が優位である、リラックス状態を表します。
チェアCと比べ、ABはよりリラックスした状態であると言えます。
元データ(参考)
面積が小さいほど分散が少なく、
心拍の変動が小さい(≒リラックスした状態)であることを表します。
チェアAに着座している状態の方がBより脳血流が多く、集中度が高い状態であると言えます。
元データ(参考)
実験時間を通してチェアBよりAに着座しているときの方が脳血流の値が高いです。
チェアA、B、Cはいずれも、集中状態を示す脳血流量を保持しています。なかでも、チェアAは実験開始直後(20秒)から集中状態になっています。
※集中の程度を判断するため、今回は血流量傾斜の程度を指標としました。
※グラフは、脳血流量のうち、最大から50ポイントと最小から50ポイントをプロットしています。
早稲田大学
1977 年早稲田大学理工学部資源工学科卒業、大林組技術研究所勤務、1999 年武蔵野女子大学文学部人間関係学科卒業。2004年、早稲田大学人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。東海大学非常勤講師等を経て、現在早稲田大学理工学研究所客員教授。研究分野は人間工学、応用統計学。
[文献]中村啓佑、杉田琢郎、河合隆史、三家礼子:ラウンジチェアによるブラウジング作業の評価-多様性の時代にむけてー、日本人間工学会、第26回システム大会抄録集、2018(USB)、2018.