オフィス防災ラボ 「食事」のポイント
発災直後から長期の滞留生活まで、環境は大きく変化します。
状況に合わせ、つくる手間や栄養などに配慮した献立を考えてから、食品を選びましょう。
- 数時間~1日
- 対応に追われ食事どころではない。
電気・ガス・水道がストップ。
人命保護が最優先になる。
簡単に食べられるものを選ぶ。
- 2日目~数日
- ある程度状況が落ち着き、お湯を沸かしアルファ化米を調理。
副菜などを食べる余裕が出てくる。
- 長期~
- 対応が長期化するにあたり、対策要員の栄養バランスに配慮する。
POINT1献立から考える
災害時、オフィスでの食事環境は、時系列にそって大きく3つに分けることができます。食事内容、つまり献立もそれに沿って変化します。食品を選ぶ際は、献立を立ててから選びましょう。
献立例
数時間~1日 | |
---|---|
朝 | ビスケット(400cal) |
昼 | ビスケット(400cal) |
夜 | ビスケット(400cal) |
間食 | - |
計 | 1,200cal |
2日目~数日 | |
---|---|
朝 | パン/野菜ジュース(524kcal/77kcal) |
昼 | 白飯/肉じゃが(387kcal/199kcal) |
夜 | 五目ご飯(379Kcal) |
間食 | ようかん(171kcal) |
計 | 1,660kcal |
長期~ | |
---|---|
朝 | パン/野菜ジュース(524kcal/77kcal) |
昼 | 白飯/カレー(387kcal/172kcal) |
夜 | 白飯/肉じゃが(387kcal/199kcal) |
間食 | ビスケット/栄養補助食品(400kcal/7kcal) |
計 | 2,153kcal |
()内は参考値
朝 | 昼 | 夜 | 間食 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|
数時間~1日 |
ビスケット (400kcal) |
ビスケット (400kcal) |
ビスケット (400kcal) |
ー | 1,200kcal |
2日目~数日 |
パン/野菜ジュース (524kcal/77kcal) |
白飯/肉じゃが (387kcal/199kcal) |
五目ご飯 (379Kcal) |
ようかん (171kcal) |
1,737kcal |
長期~ |
パン/野菜ジュース (524kcal/77kcal) |
白飯/カレー (387kcal/172kcal) |
白飯/肉じゃが (387kcal/199kcal) |
ビスケット/ 栄養補助食品 (400kcal/7kcal) |
2,153kcal |
()内は参考値
POINT2カロリー・栄養素の目標
「避難所における食事提供に係わる適切な栄養管理の実施について」(2016.06厚生労働省)にて、長期滞留者向けに目標値が示されています。
避難所における1日あたりの適正な栄養値
- エネルギー1800~2200kcal
- ビタミンB10.9mg以上
- ビタミンC80mg以上
- タンパク質55g以上
- ビタミンB21.0mg以上
POINT3食べ残しの出ない選び方
災害時、ゴミは回収が復旧するまで保管する必要があります。特に生ゴミは、悪臭や衛生環境の悪化につながるので、食品は使い切りサイズにして、汁物は避けるなどの工夫をしましょう。
POINT4味の薄い物を選ぶ
備蓄用食品は、通常の食事より味付けが濃い場合が多く、また、生野菜が取れないため食事からの水分補給も少なくなり、塩分過多になる恐れがあります。なるべく薄味のものを選びましょう。
POINT5おやつの使い方
甘いものは、心の支えや個人によって違う空腹感、カロリーの調整として有効です。しかし、備蓄用食品を見ても甘いものは少なく、中々手に入りません。おやつはぜいたくなものと思われがちですが、災害時に非常に頼りになるアイテムです。