COLUMN
2024/11/19

【対談】「働くってなんだろう?今求められる理想のオフィスって?」(中編) 長谷川ミラ〈タレント〉× 加賀大喜〈DAYS OFFICE ブランドディレクター〉



さまざまなゲストを迎え、「自分らしさを叶えながら働く」ことを考えていくDAYS OFFICE SPECIAL TALK。記念すべき第1回には、自身も会社を経営しつつタレント・モデルとしても活躍する長谷川ミラさんにご登場いただき、"働く"にまつわる最前線についていろいろな角度から考えてみました。この記事では、前・中・後編のうちの中編をお届けします。

─自由と秩序を大切にする中で、オフィスに積極的に行きたくなるとしたら、それは長谷川さんにとってどんな場所ですか。 

長谷川 ガッと目の前の事にのめりこめるような、集中というか没頭できるようなスペースは欲しいですね。家だとやっぱりオンオフの切り替えが難しいところもくあるので。でもずっとオンモードだとやっぱり疲れてしまうので、自分のオンとオフが作れる場所がどちらもある空間が私にとっては理想です。あとはクリエイティブに新しいことを考えたりするときは、一人で考えるよりも、オープンな場所でディスカッションしながら仲間の意見が聞きたいですね。オフモードの時こそ、心を開いて会話できるような感じもします。仕事にダイレクトに関係ない要素が、コミュニケーションに繋がったりもするので、私は無機質な会議室よりも、もっとラフな空間で会話したい派です!うちの副社長とはよく2 人で個室サウナに行って真剣に3 時間くらい打ち合わせをしたりしますね(笑)。あと、これは賛否両論あると思うのですが、、お酒!お酒があると全員リラックスできて、いい効果が生まれると私は思ってるんです。

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六本木の一角で長谷川さんをはじめとしたZ 世代が運営するコミュニティーカフェ& バー、「um (アム)」。店内ではコーヒーを飲みながら仕事に集中する人もいれば、ハンモックでゆったりとリラックスしている人、さらには店内のラジオブースで公開収録をしている人も! さまざまな目的の人が同じ空間に自然に同居している心地よさがこのスペースの魅力的な特徴。

加賀 お酒というのは、コミュニケーションを加速させるツールとして、私もすごくありだと思っていてます。実際コクヨのオフィスにもバーカウンターがあるのですが、夜は社内酒場として盛り上がっています。普段関わらない人との輪が広げられたり、普段できない話をすることで関係性が深まったりと、業務にもいい影響が出ていると思います。DAYS にもビッグカウンターという商品があり、現在はコーヒーを提供できるサービスも展開していますが、今後はアフターシックスのカウンターの使い方なども開発していきたいです。

長谷川 ちなみに加賀さんはどんなオフィスが理想ですか?

加賀 マネージャーの立場になってから、オフィスに来る目的はやっぱり「チームメンバーとのコミュニケーション」です。チャットでもメールでも電話でも、いろいろなコミュニケーション手段はあるのですが、細々とした仕事の進捗確認だったり、悩みごとの相談は直接会話したいです。今どんな家庭環境とか精神状態にあるのか、という仕事の本筋から外れた会話を雑談として話せるような環境が理想です。チームメンバーとできるだけカジュアルにコミュニケーションが取れるような環境が望ましいです。

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長谷川ミラ

長谷川 働く人同士がコミュニケーションをリアルで取れる場所って、基本はオフィスだけですもんね。

加賀 ABW ※ 1 はそういう意味で、メリットもデメリットもあるので、今後はABW を前提としたときの「チームで集まる場所」の在り方も提案していきたいと思っています。ショールームで展示している商品も、そのあたりの視点に着目して開発しています。もっと働く人同士が、仕事の垣根を超えて、和気あいあいと、カジュアルに集える場所がオフィスに増えていくといいと思います。

長谷川 その気になればどこでも働ける時代に変わってきたからこそ、これからのオフィスは、オフィスの役割に縛られず、もっと" 働く" に直結しないものがあってもいいのかもしれませんね。

─ DAYS OFFICE では、時代に合わせて新しい働き方を提案してきたと聞いていますが、どのように生まれた、どんなブランドなのですか?

加賀 DAYS OFFICE は、2016 年に始まったブランドです。2012 年頃から過重労働が問題視されていて、働き方を見直そうという社会的な動きがありました。そんな中、オフィス以外の空間をオフィスに持ってくることによって、気ままに働くことができ、働く人が自然に集まってくる、そんな印象の新しい空間を作ってみようと考えました。例えば大きなブックストアやカフェをオフィスの中に持ってきたら、働く人の行動が、がらりと変わるんじゃないか、とか。そこで働く人同士が肩肘張らずにコミュニケーションがとれるようになれば、働くに対する意識すら変わっていけるのではないか、と考えたのです。デザイン面でいうと、オフィス家具としては、当時少なかった木目の素材を取り込んでみたりもしました。そんな新しい要素を取り入れつつ、今まで造作家具※ 2 でしか実現できなかったような、おしゃれで居心地のよい空間が、だれでも簡単に作れるように、すべて「置き家具※ 3 化」したのもDAYS の大きな特徴です。

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加賀大喜

長谷川 面白い発想ですね!

加賀 海外からABW の概念が入ってきたりして、部門間でもっとコミュニケーションを取らせたいという企業のニーズにもマッチしていたように感じます。DAYS にとって、コミュニケーションという価値はとても大きいです。

長谷川 仕事以外のコミュニケーションが結果的に、仕事のコミュニケーションスピードを高めていく、というのは私も常日頃実感しています。会議とかだと全然オンラインでもできると思いますが、雑談はやっぱりリアルじゃないとって感じま す。もちろん雑談自体をオンラインでできない訳じゃないんですが、雑談ができる関係性だったり、信頼の構築っていうのは、オンラインだけでは完結できないんですよね。

加賀 自分も実際に働いていて思いますが、チームの中で、お互いの価値観を知り、理解し合えないと、自律的協働は実現できないと考えています。だからDAYS では、だれもが心地よく働くために、一緒に働くチームメンバーと、働き方や考え方、年齢など、互いの違いをこえたコミュニケーションができる環境づくりというのをひとつのテーマにしています。

                            

【後編へ続く】

PROFILE

長谷川ミラ〈タレント〉
タレント、モデルとして数々のTV 番組や雑誌に出演。またJ-WAVE の番組「STARTLINE」ではナビゲーターを務める。さらにデジタルマーティング事業等を展開する会社のCEOとしても活躍中。社会問題などを発信するオピニオンリーダーとして発言に注目が集まる。

加賀大喜〈DAYS OFFICEブランドマネージャー〉
「DAYS OFFICE」ブランドマネージャー。武蔵野美術大学を卒業後、2008 年にコクヨ株式会社に入社。商品開発や商品企画などの部署を経て新規事業戦略に携わったのち、2024年より現職に至る。

※1 ABW:Activity Based Working (アクティビティ・ベースド・ワーキング)」の略。業務や気分に応じて働く人が働く場所や時間を選べる「働き方」。
※2 造作家具:その空間に合わせて設計・製作した家具。自由度が高い一方、大掛かりな工事が必要。

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