会議
2017.06.07
脱・"シーン"会議! アイデアを引き出す魔法の言葉とは?
会議7:ワンフレーズで今日からアナタも問いかけ上手に!
「何か良いアイデアはないですか? 」と
聞いてはダメなワケ
意見が出にくいときには、会議の進行役が、具体的な"視点"を提示してその立場からの意見を求める方法も有効です。
「みなさんが "大企業の総務さんの担当者" だとしたら、わが社に何を求めますか? 」、「マーケットを "東南アジアにまで広げる" と、できることは増えませんか? 」、などと、他者の立ち位置や場所・時間を拡大しての視点を具体的に提示します。そのときにおすすめなのが、枕詞として「ちょっと想像してもらえますか? 」とつけること。「ちょっと想像してもらえますか? 2020年に社会人になる人は子供の頃からスマートフォンを使いこなしています。彼らが社会人として私たちの商品を使い始めたとして・・・」。この「想像して」というワンフレーズで、参加者は空想を膨らませて発想するモードに入りやすくなります。
また、誰からもアイデアが出ないときは、「誰か意見のある人はいませんか? 」と募るのではなく、会議の進行役が積極的に当てていきましょう。必ずしも「発言がない=意見がない」ではありません。意見はあっても自信や勇気がなくて言えない人や、上司や他部署のメンバーなど周囲に遠慮して言えない人もいます。そんな人の意見をうまく掘り出すのも、「アイデア・マネジメント」の一環です。
当てるコツには、順番に意見を聞く、目の合った人を当てる、若い人から順に当てる、などがあります。進行役は「順番に意見を聞いてみましょうか・・・」とまず言います。すると参加者には適度なプレッシャーがかかります。意見のない人は目を反らしたり下を向いたりするものです。そういう人を当てると時間がかかり空気も暗くなりがちなので、目の合う意見のありそうな人を当てましょう。
また、ベテランの発言の後には、それとは異なる意見は言いにくいものです。若手を優先的に当てましょう。
意見を聞くときに注意してほしいのが、「何か良いアイデアはないですか? 」とは言わないこと。何かアイデアがあっても、それが「良いアイデア」かと言われると自信がないなと、発言を躊躇してしまいます。「パッと思いついたレベルでいいので、今頭に浮かんだこと何かありますか? 」などと投げかけると、発言に対する気軽さを演出することができます。
下地 寛也(Shimoji Kanya)
コクヨ㈱入社後、行動と環境(創造性、コミュニケーション、場のあり方等)に関する研究・分析を担当。2003年より、クライアントの企業変革のコンサルティングや研修コンテンツ企画を担当する。著書『コクヨの3ステップ会議術』(中経出版)、『コクヨの1分間プレゼンテーション』(中経出版)、『コクヨの5ステップ ロジカルシンキング』(中経出版)、『コクヨの「3秒で選び、2秒で決める」思考術』(中経出版)、『コクヨのコミュニケーション仕事術』(総合法令出版)