会議
2020.11.26
参加者の関わりしだいでオンライン会議はもっと良くなる
会議13:オンライン会議の参加者心得
オンライン会議を雰囲気よく進めて議論を活性化させるには、ファシリテーターだけでなく、参加者の表情や話し方も大切な要素となります。そこで、オンライン会議の参加者が注意したい点や、心がけたいポイントを紹介します。
オンライン会議の雰囲気づくりには
参加者の協力が欠かせない
会議をスムーズに進める役割を担うのはもちろんファシリテーターですが、ファシリテーターひとりの力だけでは本当にいい会議はつくれません。ファシリテーターに参加者全員が協力してこそ、いい会議になるのです。
対面の会議では、参加者が横並びに座ったり、ホワイトボードやファシリテーターに目線を向けたりすることが多く、参加者同士の表情はあまり目に入りません。しかし、オンライン会議でカメラオンになっていると、参加者全員の顔が画面に映るので、全員の顔を見ながら会議が進んでいくことになります。
自分が発言しているとき、誰かが厳しい表情や、やる気のない顔をしていたり、うつむいていたらどうでしょう。発言者はあまりいい気がしませんし、会議の雰囲気も悪くなるかもしれません。
オンライン会議には、同じ場に集まることで生まれるちょっとした緊張感がないので、つい気が緩みがちですが、会議の雰囲気をよくするためには、ファシリテーターだけでなく、参加者にも、オンラインだからこその協力が求められるのです。
参加者に意識してほしい
一番のポイントは表情
リモートワークを行う前は、会議に限らず、仕事中の自分の表情を意識していた人は少ないでしょう。実際、「仕事中、あなたはどんな表情をしていますか?」と質問すると、80%以上の人が下図の②と答えます。
しかし、他人の目からみると、①の表情になっている人が多いようです。さらに、オンライン会議で投影資料を見るときなどは、しかめっ面になりがち。オンライン会議中は、とくに口角を上げ、③の表情を心がけるようにしましょう。
対面の会議と違って、画面で自分の顔をチェックできるオンライン会議は、自分が他人の目にどう映っているのか、意識を高めるいい機会です。発言者の話を聞いているときや投影資料を見るとき、厳しい表情になっていないかセルフチェックしましょう。
また、誰かの意見を指摘するときも、画面で自分の表情を確認しつつ、感情的にならず、落ち着いて発言するよう心がけてください。「人のふり見て、我がふり直せ」ならぬ、「我がふり見て、我がふり直せ」の気持ちで会議に臨みましょう。
さらに、表情だけでなく、顔に影が落ちて暗くなっていないか、背景に余計な物が映り込んでいないかも、あわせてチェックするといいでしょう。
大きなうなずき・あいづちで
他の参加者をサポートする
オンライン会議で発言しやすい雰囲気をつくるには、誰かが話している際に大きくあいづちを打つこともポイントです。参加人数が多いほど画面に映る顔が小さくなり、一人ひとりの表情やしぐさが見えにくくなります。「聴いているよ」という姿勢が発言者にしっかりと伝わるよう、大げさに「うん、うん」とあいづちを打ってください。
発言は「論点・結論・理由」の3つで
論理的かつコンパクトにまとめる
オンライン会議では対面以上に、論理的かつコンパクトに話すことが重要になります。対面で話を聞いていると、なんとなくニュアンスで理解できることも、遠隔で、特にカメラオフの場合、音声だけでは要点を理解しづらいもの。
参加者全員に意見をわかりやすく伝えるには、「論点=何ついて話しているのか」を明確にし、結論と理由をセットにして話すことが大切です。さらに、長々と話すのではなく、一つの文章を短くするとポイントが伝わりやすくなります。遠隔だからこそ、的確でわかりやすい言葉を選んで、相手に伝わるように発言しましょう。
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話すスピードと声のトーンを工夫すると
理解しやすく、聞きとりやすくなる
オンライン会議では、話すスピードや声のトーンにも意識を向けてください。ネット回線の状況や相手のスピーカーの性能などにより、参加者それぞれで音声の伝わり方が違っています。そのため、話すスピードや声のトーンにも意識を向け、滑舌よく話すように心がけてください。
カメラオフの場合は特に、相手に伝わったかどうか、その表情から読み取ることができません。そのため、いつもより少しゆっくり話すことで理解しやすくなり、声に抑揚をつけることで論点が伝わりやすくなります。
話すスピードや声のトーンを意識することは、一参加者として議論を活性化し、会議に貢献するために欠かせないポイントといえます。
発言する前には合図を送る
対面であれ、オンラインであれ、発言をするときは、先に発言している人の話が終わるのを待つのが基本です。発言者の話の腰を折ったり、言葉を遮ったりするとことは、相手に不快な思いをさせるだけでなく、場の空気を悪くすることもあるので、マナー違反といえます。ただ、オンライン会議の場合、発言すること自体にちょっとした課題があります。それは、オンラインであることで、お互いの状況が把握しづらく、発言のタイミングが難しいことです。
ちょっとした体の動きや目線などから、対面ではなんとなく感じ取れていた発言の合図を感じることが難しかったり、ネットによるちょっとしたタイムラグで、発言が重なってしまう可能性があるからです。特にカメラオフの場合、お互いの顔が見えないため、どこからか突然声が聞こえてくる、なって経験もあるのではないでしょうか。
そのため、カメラオンの場合は画面上の見える位置に手を挙げたり、「よろしいですか」と声を出すなどして、発言の意思表示をしてください。また、カメラオフなら「よろしいですか、〇〇です」と名乗りましょう。そしてどちらの場合も、ファシリテーターに指名されてから発言することで、他の参加者と同時に発言してしまう、ということがなくなります。
自分自身とパソコン環境を整えて
会議に参加する
会議の前後の過ごし方も、会議の生産性を左右します。ファシリテーターも参加者も、自分自身をはじめ、パソコンやネット環境のコンディションを整えて会議に臨みましょう。
オンライン会議は立て続けに予定を入れがちですが、会議は参加している時間がすべてではありません。事前準備や事後のまとめの時間をきちんと設けることで会議に集中でき、生産性を上げることができます。
リモートワークだからこそ、タイムマネジメントとパソコン・ネット環境の整備をしっかりと行いましょう。
成田 麻里子(Narita Mariko)
コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部/ワークスタイルイノベーション部/ワークスタイルコンサルタント
コクヨ入社後、10年間にわたりオフィスデザインやワークスタイル研究、新規事業企画に携わる。現在は企業向けサービス[コクヨの研修]スキルパークにおいて、人材育成、働き方改革に関わる研修企画および講師を担当。