会議
2020.11.06
オンライン会議を円滑に進めるファシリテーションテクニックとは?
会議11:会議の雰囲気をよくし、議論を活性化
オンライン会議は、対面の会議に比べて参加者が発言しづらく、議論が活性化しにくいケースが多いもの。そこで、参加者が発言しやすい雰囲気をつくって多様なアイデアを引き出し、会議の生産性を高めるために、ファシリテーターが心がけたいポイントを紹介します。
オンライン会議を円滑に進めるための
ファシリテーターの3つの役割
対面であれオンラインであれ、会議でのファシリテーターの役割は次の3つが基本です。
■タイムマネジメント:時間通りに結論を出す
■チームワークマネジメント:会議の空気をつくる
■アイデアマネジメント:意見を引き出す
特にオンライン会議では、チームワークマネジメントがキモになり、ここがうまくいくと、参加者から意見を引き出しやすくなります。
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タイムマネジメント:
時間配分には少し余裕をもつ
オンライン会議では、ネット環境による中断やタイムラグなど突発的なアクシデントも起こりやすく、音声が聞きづらかったり途切れたり、発言途中に回線がオフになってしまう、なんてこともよくあります。
そんなときは、もう一度発言してもらったり、ネット回線が回復するのを待ったりといったタイムロスが発生し、予想以上に時間がかかってしまうことも。
こうした突発的なアクシデントもある程度想定したうえで、議題の数を絞り、時間配分に少し余裕をもっておくと、会議を時間通りに終わらせることができます。
またオンライン会議の場合、移動時間がないこともあり、分刻みで会議スケジュールを組んでいる、という人も多いようです。そのため、ファシリテーターは、本来の会議時間よりも数分前に終えられるよう意識するといいでしょう。
〈関連記事〉会議を時間通りに終わらせる進行役のテクニックとは?
チームワークマネジメント:
会議のルールを明確にする
オンライン会議の場合、参加者がそれぞれ別の場所にいて、パソコンの画面越しに議論をするため、ファシリテーターにとって、発言しやすい雰囲気をつくるチームワークマネジメントを行うのは難しいもの。
さらに、カメラやミュートのオン・オフなどオンラインならではの機能があり、ファシリテーターが自分の役割をしっかり認識していないと、会議が円滑に進まなくなります。
そこで、まずファシリテーターが押さえておきたいのは、オンライン会議ならではのルールです。参加者が集まったらすぐに議題に入るのではなく、まずは会議のルールを明確にし、参加者に伝えること。そうすることで、参加者も安心でき、発言しやすい雰囲気づくりにもつながります。
①カメラのオン・オフルール
特に明確にしたいのは、カメラをオン・オフのどちらにするか、ということ。これは企業によってルールが異なり、通信環境の問題で、カメラオフのほうが音声を聞き取りやすいというケースも多いようです。その一方で、「会議なんだから顔を見せるべき」と考える人も少なからずいるため、カメラオフの人に対して「失礼だ」とストレスを感じる人もいます。こうした不快感を生まないためにも、ファシリテーターからルールを説明することが大切になるのです。
例えば、クライアントなど外部の方とオンライン会議を行うときは、最初にカメラをオン・オフのどちらにするか確認しておくと、お互い気持ちよく会議を進められます。
相手との関係性にもよりますが、可能であれば、会議の前に「ファシリテーター1名のみ、カメラオンにする」「参加者は、聞いているときはカメラオフで、発言するときはカメラオンにする」など、軽くルールをすり合わせておくのがオススメです。
最近はテレワークが増え、オンライン会議で「はじめまして」となるケースが増えています。そのとき相手の表情が見えないと、距離を縮めるタイミングがつかみにくいのも正直なところ。カメラオフを基本とする会議でも、それが初対面の場合や初対面のメンバーが初参加している場合は、できれば最初の挨拶のときだけはカメラオンにするなどの声かけも配慮のひとつです。
ただし、これはあくまでもケースバイケース。相手のパソコンがカメラつきでない、家庭の事情でカメラオンにできないなど、状況がさまざまなので、オンかオフかで統一するのではなく、あくまでも当日の参加者の状況に合わせて可能な範囲で行いましょう。
②発言の意思表示ルール
オンライン会議では参加者同士の様子が見えにくく、発言のタイミングを図るのが難しいもの。発言が重なったり、相手の話の腰を折ったりしないよう、会議の前に発言のルールを決めておきましょう。発言したいときは「カメラオンなら手を挙げる」「カメラオフなら、『ちょっとよろしいでしょうか、〇〇です』と名乗る」などルールを決め、ファシリテーターに指名されてから発言するという流れをつくっておくと会議がうまく回ります。
また使用するオンラインツールによっては、「反応」機能があり、手を挙げるサインがあるものもありますので、こういった機能を使うのもよいでしょう。
チームワークマネジメント:
笑顔で会議の雰囲気をよくする
カメラオンのときは、ファシリテーターの表情も会議の雰囲気づくりの大切な要素となります。自分は笑顔のつもりでも、下図②の表情になっていたり、投影された資料を凝視するあまり、しかめっ面になったりすることも......。
理想は下図③の表情です。イルカの口をイメージし、口角を上げるよう心がけてください。オンライン会議は画面で自分の顔が見られるのがメリットの一つ。自分の表情が他人の目にどう映っているか、意識的にチェックしましょう。
成田 麻里子(Narita Mariko)
コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部/ワークスタイルイノベーション部/ワークスタイルコンサルタント
コクヨ入社後、10年間にわたりオフィスデザインやワークスタイル研究、新規事業企画に携わる。現在は企業向けサービス[コクヨの研修]スキルパークにおいて、人材育成、働き方改革に関わる研修企画および講師を担当。