コクヨの医療・高齢者福祉

特集

TOPICS

備えの周知を促進する防災用品の「分散配置」とは

2020年6月30日配信


発災時の初動をスムーズに行うために



阪神淡路大震災以降続く各地での災害経験から、オフィスでの防災対策は業務として定着しました。
皆様のオフィスでも、年に一度の防災訓練や備蓄品の棚卸・見直しなど、実施されているのではないでしょうか。


一方で、いくら企業の防災対策担当者が、防災備蓄品や救助工具を備えていたとしても、その存在が周知されておらず、防災担当者でなければ分からないとなると、いざという時にスムースに初動対応することはできません。


今回は、従業員にも周知するための防災用品について「分散配置」の観点から解説いたします。




目次



  1. 従業員への防災対策への周知状況

  2. 備えの周知は普段から見える場所に保管すること

  3. コクヨ霞が関オフィスにおける防災用品の分散配置





1.従業員への防災対策への周知状況



多くの企業では総務部門や危機管理部門など特定の部門メンバーが企画・立案・実行を行います。
実行に関わったメンバーはもちろんよく自社の対策を理解されていますが、一般の従業員は果たして自社の対策をどこまっで知っているのでしょうか。企業の防災担当者にこのような質問をすると、皆さん一様に不安な顔をし、まだまだ周知徹底はできていないと回答されることがほとんどです。


防災対策は一部のメンバーのみが理解しているだけでは不十分で、社内で勤務するすべてのメンバーが共通の認識を持つことが重要です。




  • ・いざ地震で揺れたとき、社内の安全なエリアはどこなのか

  • ・今いる場所で身を守るために必要な行動は何か

  • ・閉じ込めや家具の下敷きになった仲間を助けるための資機材はどこにあるのか

  • ・帰宅できずに社内で過ごす場合、どの程度の備蓄が会社に備わっているのか



このような情報を周知することで、従業員がより具体的に災害発生時の状況をイメージし、自身の安全を守るためにはどのような備え・行動が必要なのかを自発的に考えることに繋がり、全体的な防災能力が向上します。




2.備えの周知は普段から見える場所に保管すること



それでは会社が行っている備えの周知を行うにはどのような方法があるのでしょうか。


例えば防災訓練を活用した備蓄品の使用方法紹介や、従業員向けの勉強会を行うことも有効です。ただし、形式的に一度や二度実施しただけでは浸透しません。とはいえ、あまり頻繁に開催すると運営側にも参加者側にも負担がかかるという問題が発生します。そのため会社が行っている備えを周知するには、実は「普段から見える場所に防災備蓄品を保管しておく」ことがシンプルながらも、一番重要なポイントです。みなさんも想像してみてください。自分のオフィスのどのあたりに消火器が置かれているのか?何となく「あー、あそこにあったな」と想像できるのではないでしょうか。


防災用品の中でもとりわけ救助工具や救急用品などは、迅速な初期活動には欠かせないものです。いざという時、探すことから始めるようでは意味がありません。


さらに、最近のトレンドとして、備蓄品においても倉庫で保管するのではなく、災害時に取りに行くことができないなどのリスクを軽減させるため、分散配置を取り入れる企業が増えています。特に発災1日目に必要となる用品については執務室エリア内に保管したり、個人に配布する傾向にあります。



●●分散配置の考え方●●


■個人保管


発災1日目に必要なセットをあらかじめ個人に配布することで、非常時の配布モレ防止や配布時間の削減ができます。


■フロア保管


発災1日目に必要なセットをフロア内の什器などに保管することで、運搬の効率が向上します。


■倉庫保管


残り2日分の水や食料は地下倉庫などの大型倉庫で保管します。


bousai3-3.png




3.コクヨ霞が関オフィスにおける防災用品の分散配置



コクヨ霞が関オフィスでは、水と食料、トイレ、ブランケットがひとまとまりになったセット(個人備蓄セット)とヘルメットを執務室エリア内の天袋や収納庫の最下段に配備するなど、防災用品の分散配置を実践しています。




●発災時にすぐに必要なもの




  • ・救助工具、救急用品セット、担架、照明(ランタン) →総務部付近の収納庫

  • ・ヘルメット、軍手、ライト              →パーソナルロッカー上(ランマ部分)



point① 普段は使いづらいロッカー上のランマ部分を活用することでデッドスペースを活用
point② 執務スペースに配置することで必要な時にすぐに取り出せ、従業員への周知も実現




●発災後1日目に必要となるもの




  • ・個人備蓄セット(1日目の水・食料・トイレ・ブランケット) →通路に面した収納庫の最下段



point① 従業員数=個人備蓄セットなので管理がしやすい
point② 有事の際はセットで渡すだけで、それぞれの備蓄品を配布する必要がない




●発災後2-3日目に必要となるもの




  • ・2、3日目分の水・食料・トイレ、帰宅支援用品    →防災倉庫


bousai3-2.png


bousai3-4.jpgまた、有事の際、普段は3C情報や社内イベントの告知に活用しているデジタルサイネージをTVに切り替え、情報収集や従業員へ情報提供ができるようにしています。従業員が頻繁に通るオフィスの中央に配置することで、情報発信の場として機能させています。









防災用品の分散配置は、有事の際の初動をスムーズに行えるだけでなく、普段から見える場所に保管・設置することで、従業員への周知にもつながります。


コクヨマーケティングでは、防災をオフィス空間・家具や文具とあわせたソリューションで、持続可能な事業活動を実現できるよう、提案、提供を行っています。


企業防災、防災備蓄品などでお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。


【お問合せ】企業防災に関するご相談はこちらから

コミュニケーション活性化に繋がる?コピーコーナーのつくり方

快適な待合空間づくりのヒント