HOME > オフィスづくりに役立つコラム > 女性が一人でも安心して利用できる 郊外型テレワークオフィス ~SoloTime~
2021.4.12[ 働き方 ]
東京電力ホールディングス株式会社様が、法人向けの郊外型テレワークオフィス「SoloTime」の第一号店となる八王子店を2019年にスタートさせて約2年。社会インフラを支える企業がなぜこの事業を立ち上げたのか、コロナの前後で働き方はどう変わり、これからサードプレイスに求められる役割はどうなっていくのかを企画開発担当者に話を伺いました。
東京電力ホールディングス株式会社
ビジネスソリューション・カンパニー ソリューション推進室 事業推進グループ
諸川 まり 様 / 佐藤 和之 様 ※写真左から
SoloTime
https://solotime.jp/
―――東京電力がテレワークオフィス事業を始めたきっかけは?
佐藤:インフラ企業としての関東エリアへの地域貢献として、働き方が大きく変わっていく中で、通勤負担を少しでも軽減したいと考えたことが一番のきっかけです。私自身、人事部門の出身だったのと、子育てをしながら仕事をしていた経験から、ワークスタイルの変化にはとても興味を持っていました。柔軟に働ける環境を提供することを目指し、ワークスペースという「第3のインフラ」を提供したいという思いから、この事業を立ち上げました。
―――「SoloTime」の特徴は?
佐藤:通勤時間の削減を目指して、郊外かつ駅から徒歩3分以内のロケーションです。子育て中は、保育園に子供を預けて都心に通勤し、会社に着いた途端呼び出される・・・といったことがよく起こり、往復の通勤時間が非常にロスになっていました。都心には既に他社のサービスがありましたが、郊外にはまだなかったのです。また、SoloTimeの名前どおり、交流のためのシェアスペースではなく「個人のワークスペース」としての働きやすさに特化し、席は1200mmの幅を確保、飲み物などのアメニティも用意しています。
諸川:女性の使いやすさも重視しています。無人店舗は入りにくいという意見も事前の調査では聞かれたので、店内は明るく心地よいインテリアにしたり、女性専用席を設けるといった工夫をしています。法人会員限定の利用であることも安心感につながっているのではないでしょうか。
自宅に代わる落ち着いて仕事が出来る場所を提供
―――コロナ禍を受けての変化は?
諸川:感染症対策では、パーティションの設置などソーシャルディスタンスを確保することはもちろん、デルフィーノ抗菌での接触感染対策なども行っています。
佐藤:お客様の変化としては、個室のご利用が増えました。いつでもWeb会議に参加できるように、オープンスペースではなく個室の利用を希望されるお客様が増えている実感があります。また、郊外型なので元々ご利用時間が長めの傾向があるのですが、終日のご予約など、お一人あたりの平均滞在時間がより長くなっているというデータが出ています。
Web会議がひっきりなしにあるけれど、ご自宅に落ち着いて仕事が出来る環境がなかったり、椅子や机が長時間の仕事に適していないなどの理由で、ご自宅近くのワークスペースを利用されるという方が多いように思います。
諸川:そういった長時間利用ニーズにお応えするため、一部の店舗で営業時間の延長や、外付けモニターを席に設置するなどの対応を行っています。
柔軟なワークスタイルへの対応が人材獲得への必須条件
―――利用される方の業種などで、変化を感じることは?
諸川:以前はICT関連の企業様がほとんどでしたが、最近では金融・保険・士業関連の企業様のご利用などもあります。今まではテレワークは絶対に無理だと思われていた業界も、だんだんワークスタイルが変わってきていると実感しています。また、人事部門の方が契約窓口のケースが多かったのですが、最近は総務部門が増えている感覚があります。おそらく、テレワークオフィスの利用目的として、これまでは働き方改革の一環として取り組まれていたのが、だんだん今後のオフィス戦略としてのコスト最適化や、働く場のポートフォリオをどう考えるかといった課題に変化してきているのではないかと捉えています。
―――今後コロナが収まっても、この動きは加速すると思いますか?
佐藤:基本的には元に戻るということはなく、働き方がより柔軟になっていくのではないかと考えています。今後、企業が柔軟な働き方に対応していかないと、人材の獲得が難しくなっていきます。どこでも仕事が出来るという感覚が当たり前になっている中で、毎日同じ場所に通勤して、ずっと固定の場所で仕事をするといったワークスタイルに対して拒否感を覚えるなど、自然と意識が変わってきていますから。例えば、付加価値を生み出すような場面はFace to Face、一人で出来る作業はご自宅近くの「SoloTime」などのワークスペースを利用するなど、目的に合わせて働く場所を変えていく動きが加速していくのではないでしょうか。
諸川:働き方が変わり、周囲に合わせて日中同じ時間に働く必要がない方も増えています。そうすると朝型が効率いいという方もいれば、夜の方が集中できるという方もいますので、ワークスペースの稼働も柔軟に対応していく必要を感じています。
佐藤:海外とのやり取りで夜にミーティングのある方も、そのためにオフィスにいるのは現実的ではありません。ニーズがあるのであればいずれ深夜のご利用にも対応していきたいという想いはあります。
都心に大きくオフィスを構えて全員をそこに集めるといったスタイルから、郊外にも少しずつオフィスを持つ、プロジェクト単位で一定期間利用するなど、サテライトオフィスとしての活用ニーズも高まってくるかもしれません。そういったことも含めて第三のワークスペースとして、企業が仕事を効率的に進めるための仕組み作りに貢献していけたらと思っています。
明るく心地よいインテリア。抗菌・抗ウイルス薬を散布し、感染症への対策を実施。
気兼ねなくWeb会議ができる個室。施錠可能でセキュリティ面でも安心して利用できます。
今回は、SoloTime様の取り組みをご紹介させていただきました。
他にも2020年1年間のデータでの振り返りから、1stプレイス、2ndプレイス、3rdプレイス各企業の実例、感染症やワークエンゲイジメントなどの有識者へのインタビューなどをまとめ、様々な視点から熟考と判断を「WORK TRANSFORMTION vol.3」にまとめました。ぜひご一読いただき、これからのオフィスづくりご検討にお役立てください。
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