HOME > オフィスづくりに役立つコラム > 働き方用語辞典「L&D」
「L&D」とは、従業員の技術や能力、知識を向上を目的とした体系的な取り組みです。Learning(学習) & Development(開発・発展)の略で、人材開発や育成をすること、またはそれら担う部門を指します。L&Dは、個々や組織の成長と共に、企業の競争力の向上を狙いとしています。
学習対象となるテーマは、業務に必要な実践的な知識やスキルはもちろん、コンプライアンスやリーダーシップといった概念的など多様です。実施方法も、自社での研修や社外専門家によるセミナー、オンデマンドのオンライン学習など多岐にわたります。近年では、人材開発専門の部門を設け、より体系的にプログラムを行う企業も増えています。
■L&Dが注目される背景
IT技術の急速な発展や労働人口の減少、市場や社会環境の変化に伴い、求められるスキルも日々変化しています。企業の競争力を高めるためにも、個人・組織それぞれの新たなスキルの習得や能力の開発、アップスキリングは非常に重要な要素となっています。そのため、企業としてもビジネス環境の変化に対応できる、多様な能力開発の機会を提供することが求められています。
■従来の人材開発との相違点
・個人のニーズに合った学び
これまでは企業によって一方的に行われる研修や教育が一般的だったが、L&Dは個人が主体となり、ひとりひとりのニーズに合わせて、実践的に活用できる能力の向上を目的としている。
・従業員全体に機会を提供
従来は新入社員や若手社員向けの研修が多く、ミドル層以上の成長の機会が少なかった。一方で、L&Dは従業員全員にそれぞれのニーズに合った学習や教育の場をサポートすることで、意識変革が生まれ、イノベーションの創出が期待できる。
■成功のポイント
業務に追われる中、学習や研修に使う時間はどうしても優先順位が下がりがちです。プログラムを用意するだけでなく受講しやすい状態づくりも必要です。
・学習メリットや意図を伝えたり、サポートすることでモチベーション・目的意識を高める
実施意図の説明、上司や先輩によるメンタリングの実施
・従業員の要望も取り入れる
学習方法やペースなど従業員自身が選択できる余地を残す
・業務に即した役立つ内容
業務課題に関連した内容や解決につながる知識が身につくようコンテンツを工夫する
L&Dは離職や採用対策にも有効です。成長意欲の高い従業員・求職者は、この会社で働くことが、自身にとってどのような成長・経験機会となるかを重視します。充実したEVP(従業員価値提供)のひとつとして、アピールポイントになるでしょう。
L&Dの効果は個人にとどまらず、習得した学びや気づきなどを社内で共有することで、知識が蓄積され、組織的な課題の改善につながることも期待できます。学習した内容を業務に活かせる状態が生まれることで、エンゲージメントやモチベーション、生産性の向上、離職対策にも有効と言えます。
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