HOME > オフィスづくりに役立つコラム > これからのオフィス防災と防災備蓄 ~総務・防災担当者が不在でも安心できる~
2022.6. 7[ オフィス運用 ]
執筆:コクヨコラム編集部
働き方が大きく変わってきたいま、オフィスの防災には何が求められているのでしょうか。
社員一人ひとりがいますぐ取り組める対策を紹介したウェビナーをレポートします。
目次
2020年初頭から新型コロナウイルスが流行し、働き方が大きく変わってきました。
オフィス防災がいま直面している課題は、この新しい働き方にいかに防災対策を対応させていくか、ということです。
2021年2月、コクヨは企業の防災担当者を対象にアンケートを実施しました。「防災業務で困っていることは?」という問いに対しては、「働き方の変化にともなった備蓄の見直し」という回答が最も多く見られました。
課題をさらに細かくヒアリングすると、
在宅勤務の拡大による
①防災担当者オフィス不在時の対応
②在宅勤務者の安全確保
が挙げられました。
ここで少し視点を変えて、次の年表をご用意しました。
これは、1995年以降に発生した震度7の地震を並べたものですが、ご覧の通り、平日の日中に起こったのは実は東日本大震災だけです。
ですから、いま課題になっている社員不在時の対応は、実は新たな課題ではなく、過去からずっとあったものなのです。
こう考えると、防災対策を担うのが総務や防災担当だけ、という体制はそもそも不十分です。やはり、社員一人ひとりが防災意識を高め、それぞれが対策を実践していくことが重要になります。
そうすれば、新しい働き方で広がった在宅勤務やオンライン化のメリットを活かし、災害後の事業継続も容易になります。
では、社員一人ひとりができる対策にはどのようなものがあるのでしょうか。
「災害から命を守る」を軸に、4つの観点から紹介します。
災害を100%避けることは現実的にはできません。そのため、地域の自然災害リスクを理解した上で、対策を検討することが重要です。
その手段の一つとして、地震ハザードカルテというWebサイトを紹介します。これは、国立研究開発法人防災科学技術研究所が運営しているもので、ご自身のお住まいや勤務先の住所を入力すると、今後30年間でどのような地震が、どのくらいの確率で発生するかなどが調べられます。
台風や洪水被害については、自治体のハザードマップを確認するとよいでしょう。
自宅やオフィスの建物がいつ建てられたのかを確認しましょう。よく知られるように、1981年を境に耐震基準が見直されています。
建物の築年数を知っていれば、いざ地震があったとき、すぐに外に逃げた方がよいのか、あるいは中に留まって耐えた方がよいのか、判断できます。
建物の中については、家具の固定や、レイアウトの見直しを行います。
見落としがちなのが、パソコンのディスプレイやテレビ。転倒したり、大地震では飛んできたりするとも言われますので、しっかり固定しましょう。
災害時、「身の安全が確保できたら避難所へ」というイメージをお持ちの方も多いと思います。避難所については、
・事前に場所だけでなく、安全に行ける経路も調べておく
・そもそも避難所に入れるかを確認する
ことが重要です。
たとえば東京都港区では、避難所の受け入れ人数に限りがあるため、自宅が居住可能であれば避難所に行かない「在宅避難」を呼びかけています。
一般的に、最低3日程度の生活を維持できる備蓄を行なうことが理想と言われます。
特別な何かを準備するよりも、日常使うものを多めに持っておく
「ローリングストック」という言葉が最近よく言われます。これは、食品や日用品などを少し多めに購入しておき、日常生活で消費しながら災害時に備えるという備蓄方法です。
「貯められるものは貯めておく」という簡単な方法もあります。たとえば、冷蔵庫の製氷機を常に氷でいっぱいにし、給水タンクも満タンにしておく。これは我が家でも実践しているのですが、これだけで約6リットルの水を確保できています。
社内滞留のための生活物資を備蓄。わかりやすい場所へ保管する
オフィスでは次のようなケースがよくあるのではないでしょうか。「防災備蓄品は防災倉庫に保管している」「何がどこにあるかを把握しているのは総務担当のみ」......。
こうならないために、最近では防災用品もできるだけ執務空間に近い、見える場所に置くという工夫が進んできています。
コクヨでは、見える場所に省スペースで保管できる「PARTS-FIT」(パーツフィット)という防災用品のラインアップをご提案させていただいています。
たとえば、一般に市販されている防災用品を、社員30名×3日分備蓄しようとすると、収納庫3本分ほどのスペースが必要になります。一方、PARTS-FITシリーズだと、収納庫1本分で保管できます。
オフィスの防災対策には、こうしたオフィスに特化した備蓄品を検討いただくのもポイントになってきます。
・災害はいつも不意打ちでやってきます
・いざというとき慌てないために、日頃から最低限の防災対策を意識することが最も効果的です
・ぜひ、ご家族・友人・同僚と実践してみてください
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