窓口改善
デジタル化を見据えた
これからの窓口空間づくり
行政のデジタル化に伴う住民と職員の行動変化
オンライン化による転換期、
庁舎の在り方が大きく変わる
自治体の顔である窓口では、これまで住民サービス向上のために空間改善が行われ、主に来庁者の立場に立って「セキュリティ面」「来庁者の快適性」「手続き方法の分かりやすさ・効率性」の観点で、顕在化している課題を解決してきました。
しかし今後は、行政のデジタル化の進展に伴い多くの手続きがオンライン化することで、庁舎の在り方が大きく変わることが見込まれます。来庁者の行動や過ごし方、職員の働き方がこの先大きく変化することを前提に、改善策を描くことが求められると考えます。
これからの窓口改善における
エリアごとの具体的な変化予想
「快適に待つ」場所から「相談できる」場へ
- 改善のポイント
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- ユニバーサルデザイン
- 迷わせないデザイン
- 適正な動線計画
- プライバシーへの配慮
- オンライン相談・対面相談スペースへの転換
あらゆる来庁者にとって快適に待つことができることを目指し、これまでは「動線」「家具」「サイン」にユニバーサルデザインの視点を取り入れた待合空間づくりを大切にしてきました。(参考:コクヨ 自治体庁舎とユニバーサルデザイン) 行政のデジタル化によりオンライン申請が進むと、待合の使われ方は自治体ごとに多様化すると考えられます。相談スペースとしての活用やオンライン相談ブースの設置、隣接する交流空間との融合など、こうした変化を想定した家具選び・空間づくりを行うことが重要です。
窓口数の増減や応対スタイルの将来的な変化に対応
- 改善のポイント
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- ユニバーサルデザイン
- プライバシーへの配慮
- 繁忙期対応や応対スタイル変化に柔軟に対応
- オンライン相談・対面相談スペースへの転換
ユニバーサルデザインやプライバシーへの配慮といった快適性・安心感の向上、待ち時間の短縮のため窓口数の増加といった改善が図られてきた窓口エリア。今後は行政のデジタル化に伴い、窓口では相談業務への特化や必要数の減少が見込まれます。窓口数の増減や多様な相談スタイルへの対応を見据えた家具選びが必要になってきます。
働き方・働く場所の多様化
- 改善のポイント
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- 業務動線・面積の効率化
- フリーアドレス・グループアドレスの運用
- 用途転換が可能な家具の採用
- 業務の目的に合わせて場所を選べる働き方の採用
システム端末席や自席が固定された執務室において、これまでの窓口改善では主に業務動線の効率化が図られてきました。今後行政デジタル化に伴いペーパーレスや庁内Wi-Fiの導入が進むと、業務の目的に合わせて場所を選べる働き方(ABW=Activity Based Working)へのシフトが可能になります。現在、ABWは企画部門を中心に広がりつつある働き方ですが、将来的には窓口部門でも同様の働き方が可能になると考えられます。
執務エリアを拡張することなく多様な働き方を叶えるためには、スペースの効率化が重要です。固定席運用からフリーアドレス・グループアドレス運用へと切り替えることで、打合せや集中・リモート会議といった機能スペースへの用途転換が可能になります。将来変化や組織変更を踏まえ、こうした用途転換がフレキシブルに行える家具選びや空間づくりが不可欠です。