HOME > オフィスづくりに役立つコラム > 働き方用語辞典 「確証バイアス」
2024.1.23[ その他 ]
「確証バイアス」とは、自分にとって都合のいい事実だけに注目し、それ以外の情報は軽視しようとする傾向のことを言います。すでに持つ先入観や偏見、それらによってできた自分だけの判断基準などによって非合理的な判断をしてしまう心理現象の認知バイアスの一つです。
確証バイアスは、もともとは認知心理学や社会心理学における用語でしたが、政治や経済、ビジネスシーンでも活用され、日常生活でもよく見かける言葉になりました。例えば、血液型で人の性格を判断してしまうのも確証バイアスによるものと言えます。
確証バイアスを引き起こす原因は、自己正当化しようとする人間の特性にあるとされます。 人間は自身の判断や考えを正当化しようとする欲求や無意識のうちの偏見を持つとされ、それらをもとに物事や人を判断することで、確証バイアスが発生します。
人物の部分的な一面や業務中の一場面の印象に引っ張られ、それ以外の部分を過大評価、過小評価してしまったり、組織ではなく個人的な嗜好や人間関係、心理的要因などを反映してしまう
【影響】
公平性に欠ける評価で、社員のモチベーションの低下や離職率の上昇、社員間の関係悪化などの要因となり、部署全体の業績低下につながる
学歴や第一印象に影響された、思い込みの人物像で判断してしまうことで、本来の能力や経験、性格などの情報が見落とされてしまう
【影響】
会社や部署に適した人材を逃してしまったり、業務と人材のミスマッチによる社員の生産性やモチベーションの低下、異動や離職の原因になりうる
報告を受ける側や上司が報告内容に対して感情的に反応したり、自分にとって都合の良い返答をする人物を評価することで、報告者や部下は事実を伝えにくくなってしまう
【影響】
上司や経営陣など決定者にとって好都合な情報のみ集まるようになり、組織にとって適切な判断が難しくなる
記録などから自分の行動や発言、思考を見返したり、他人の意見を聞いたりして、客観的に自分を把握する
主観や感情に支配されず、常に物事の側面や前後関係を意識した冷静な判断をこころがける
個人的な心象や好み、過去の経験だけではなく、データや証拠などの統計も判断基準として参考にする
確証バイアスは、ネガティブな側面に注目されがちですが、反対にその性質を利用しマーケティングに活用されることもあります。より効果的な判断や結果にたどり着くためには、日頃からできるだけ広く・公平な基準を設け、「本当にそうだろうか?」と客観的な視点で反芻する習慣を持つことが欠かせないといえるでしょう。
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