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【オフィスのチカラ】企業カルチャーを育むオフィスづくり

公開日:2025.1.17

執筆:コクヨコラム編集部

#オフィスのチカラ #コミュニケーション #トレンド #制度

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【オフィスのチカラ】企業カルチャーを育むオフィスづくり

このたび、コクヨは「オフィスのチカラ vol22」を発表いたしました。
この記事では「オフィスのチカラ vol.22」の中から、企業カルチャーを育むオフィスづくりについてご紹介いたします。 

近年、企業カルチャーという言葉に注目が集まっています。企業カルチャーとは、企業や社員が共有する価値観や信念、行動様式のことで、企業文化とも言います。
経営理念や行動指針に基づき、企業独自の性格として形成された企業「らしさ」(企業カルチャー)は、ブランディングだけでなく、社員の行動や意思決定にも影響を及ぼすと考えられています。
今回は、企業カルチャーがなぜ注目されているのかや、望ましい企業カルチャーを育むためにはどのような取り組みができるかについて具体的なヒントとともにご紹介します。 

企業カルチャーが注目される背景

近年、企業カルチャーに注目が集まっている背景として、大きく次の3点が挙げられます。 

・リモートワークの普及による物理的な一体感の不足
・個人と企業の価値観の整合ニーズの高まり
・人材の多様化・流動化

コロナ禍をきっかけにハイブリッドワークが普及し、社員同士の直接的なコミュニケーションが減少したことで、チームとしての物理的な一体感を保つことが従来よりも難しくなりました。その結果多くのワーカーが、心理的なよりどころとして「自分たちらしさとは何か」「自分たちならではの社会に与えるインパクトは何か」といった企業の「らしさ」を求めるようになりました。
また、個人が求める働き方や職業観、グローバル化や社会貢献などの価値観が多様化したことで、給与や待遇だけでなく、自分自身の価値観と整合性が取れる企業カルチャーを持つ企業で働きたいという意識が強まりました。

さらに、近年ではワーカーの人材流動化が進み、これまでであれば企業の中で自然と醸成され、社員の中で暗黙知として定着していた企業カルチャーも、新しく加わるメンバーにとっては「よくわからない不文律」となる恐れがあり、大切に育てたいカルチャーは言語化して、共有や浸透を図る必要が出てきたのです。

このように、ワーカーの意識の変化により、組織のビジョンや行動規範はもちろん、社員一人ひとりの目標や働き方に大きく影響する企業カルチャーは、採用や定着率にも直結する重要な要素となっています。

企業カルチャーを育むための3つの視点

企業カルチャーを育み、定着させるために必要な要素として、次の3つの視点が考えられます。System(制度・運用) Tool&Tech(ツール・テクノロジー) Place(空間)

System(制度・運用)
企業カルチャーの定着を後押しするためには、就業規則や勤務規程、人事制度、採用、研修・教育制度の見直しや充実、社内イベントの企画などが効果的です。これらの施策は、望ましい行動に対する評価制度の導入や、それを支援する働き方の促進、横断的なプロジェクトなどと一緒に行うことで、社員の理解と実践が促され、企業カルチャーの浸透を加速することができます。

Place(空間)
オフィス空間で企業カルチャーを分かりやすく表現することによって、企業のミッションやビジョン、価値観を社員に分かりやすく共有することができます。たとえば、カルチャーデックを表現したアートをオフィスの中で表現したりすることを指します。また、オフィス以外の自宅・サードプレスの使い方を企業カルチャーや社員の価値観に合わせることも必要となります。

Tool&Tech(ツール・テクノロジー)
望ましい行動を引き出し、それをサポートするためのコミュニケーションツールやデバイス、アプリケーション、ガジェットなどを取り入れることも効果的です。たとえば柔軟な働き方をサポートするICTツールや、コミュニケーションアプリ、ワーカーの状況を把握するサーベイ(アンケート)などが挙げられます。

Place(空間)で企業「らしさ」を実現するヒント

今回は、企業カルチャーを育むための、System(制度・運用)、Tool&Tech(ツール・テクノロジー)、Place(空間)の3つの視点のうち、「Place(空間)」で自社「らしさ」を実現するためのヒントをご紹介します。

Symbol 「らしさ」の象徴を設置する Symbol 「らしさ」の象徴を設置するimg

社員にとっての心理的なよりどころをつくる方法として、オフィス空間の中に、事業内容や企業の価値観を象徴するスペースや造形物、モチーフ等を設置するという手段があります。 たとえば、会社の商品やキャラクター、ロゴをオブジェなどのアートで表現する、コーポレートカラーをオフィスのシンボルカラーに設定する、地域社会との交流スペースや企業の歴史を展示するコーナーを設けるといった例があげられます。企業のイメージを象徴するものや施設を設けることで、社員や地域社会の人々に企業「らしさ」を身近に感じてもらうことができます。

Activity 「らしさ」を生む行動を引き出すActivity 「らしさ」を生む行動を引き出すimg

企業カルチャーを形作るうえで欠かせない、企業「らしさ」を生む行動を社員から引き出すためには、企業が社員に期待する行動に合わせてオフィス空間を配分することが効果的です。 たとえば、個人の「集中」と打ち合わせの「協業」のどちらを促進したいのか、また社内でのコミュニケーションでは、報告・連絡・相談といった意思決定と、ブレーンストーミングや部門を超えた偶発的なコラボレーションのどちらを促進したいのか、企業が社員に期待する行動に合わせて考えることが重要です。

Style 「らしさ」をつくる空間スタイルを検討するStyle 「らしさ」をつくる空間スタイルを検討するimg

企業「らしさ」をつくる手段として空間づくりを検討する際には、企業が自社イメージとして醸し出したい雰囲気(空間スタイル)を決定することも重要です。企業カルチャーを体現する雰囲気を決めることでそれに合わせた空間づくりを行うことができます。 たとえば、くつろげて話しやすい雰囲気、スピード感や刺激のある雰囲気、遊び心が散りばめられている楽しい雰囲気などがあげられます。空間スタイルは人の気分や関係性に大きく影響を与えるため、慎重に検討しましょう。

Update 変化に合わせてアップデートするUpdate 変化に合わせてアップデートするimg

オフィスの空間づくりは、一度つくったら終わりではなく、利用状況や満足度、働き方の変化などに合わせてアップデートすることが必要です。核心となる自社「らしさ」をぶらすことなく、変化する市場や社会に対して柔軟に対応することによって、社員が会社の価値や方向性を理解しやすくなります。 普段からオフィスに足りないものや不満などの声を集めて分析し、必要に応じて再配置や再構築する仕組みをあらかじめ用意しておくとアップデートの際にスムーズです。

まとめ

企業カルチャーとは、企業とその従業員が共有する価値観や信念、行動規範のことであり、企業のビジョンやコミュニケーション、社員一人ひとりの働き方に大きな影響を与える要素です。 既存の企業カルチャーの中には、強みとして伸ばしたい部分もあれば、変えていきたい部分もあるでしょう。社員と企業の双方にとってより良い企業カルチャーを醸成していくためには、どんな特徴を自社の「らしさ」として育んでいきたいか、何を大切にしていきたいのかを企業全体で話し合い、共有することが必要です。まずはありたい姿を言語化することから始めてみませんか。

Note

"実験カルチャー" を育む
コクヨ品川オフィス<THE CAMPUS>

コクヨ品川オフィスには社員が自由に使える作業スペースやイベントスペースが設けられています。自由度の高い空間があるからこそ、社員の自主的な活動が生まれています。たとえば、コロナ禍を経て大量に余ったアクリルパネルを材料にペン立てを制作し、そのプロセスの楽しさを共有できるワークショップを企画しました。このような取り組みは、社員の挑戦を促すだけでなく、お客様向けのイベントの実施にもつながっています。ワークショップのようす

コクヨ品川オフィス<THE CAMPUS>はご見学可能ですので、実際に見て参考にしたい場合はお気軽にお声がけください。

「オフィスのチカラ」は、コラムのほかにも、お客様のオフィス構築プロジェクトやカイゼン活動をご紹介している冊子です。 ぜひこちらからダウンロードしてご覧ください。

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