- #ユニバーサルデザイン
横浜市役所
20超の拠点を統合、来庁者の利便性と組織力の向上を目指した新庁舎
- Point1
- 分散拠点の集約
- Point2
- 組織力の向上を図ったオープンフロア
- Point3
- 市民利用スペースの充実
名称横浜市役所
- 2020/06
- 143,000㎡
- 6,000人
- 約377万9千人
- 新築
事例詳細
市役所職員約6,000人が20か所以上の拠点に分散し、施設・設備の老朽化や執務室の分散化等来庁者の利便性や職員の業務効率等に大きな課題を抱えていた横浜市。令和2年、横浜市はこうした課題を解決するため、32階立ての新庁舎に部局を集約し竣工しました。
新庁舎では、来庁者対応スペースと職員の執務スペースを明確に区分。来庁者対応スペースは待合や市民対応スペース等を十分確保するとともに、執務室では職員間・組織間のコミュニケーションを活性化させ全庁的な組織力を向上させるためオープンフロア・ユニバサルレイアウトを採用しています。
コクヨは実施設計段階において開庁準備支援業務を受託。高層階(市役所エリア)、中層階(議会エリア)、低層階(市民利用エリア)におけるレイアウト計画・移転計画・什器計画業務を中心に、開庁までの総合調整・支援業務を実施しました。
ご担当者の声
第8代目となる本市庁舎は、「施設や設備の老朽化」「執務室の分散化」「市民対応スペースの不足」「社会状況への対応」「災害対策」等の様々な課題の解決を図るとともに、この移転を私たち職員の働き方を見直す大きな契機と捉え整備を進めてまいりました。
本市庁舎は、高層・中層・低層の3層構成となっています。高層部に市役所機能、中層部に議会機能を配置し、低層部は十分な天井高を確保した開放的な空間とし、多様な活動、賑わいを創出するアトリウムや市民利用施設、商業施設を配置し、市民に開かれた市庁舎としています。
市役所機能の整備にあたっては、主に「来庁者対応の充実」「経済性と効率性の向上」「コミュニケーションの活性化」の視点で進めてまいりました。来庁者対応スペースと職員の執務スペースを区分し、来庁者対応スペースを十分確保するとともに、執務室では、職員間・組織間のコミュニケーションを活性化させ、全庁的な組織力の向上が図れるようオープンフロア・ユニバーサルレイアウトを採用いたしました。また、部門の垣根を超えた連携促進を図ったコミュニケーションエリアは、フロア全体の職員が共通で利用する機能・備品を集約配置しており、職員が集まり自然な交流を生み出す場となっています。
今回の移転(市庁舎整備)は、単なる引越しではなく、職員の働き方も見直していく大きな契機にもなりました。新庁舎の新しい機能や働き方を浸透させ、市民サービスの更なる向上につなげていきたいと思います。
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横浜市
総務局管理課
岩井 俊祐氏
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コクヨ担当者
横浜市の8代目になる新庁舎は、令和2年(2020年)6月に、超高層の庁舎として誕生しました。約20箇所の旧庁舎に分散していた部局を集約することで、来庁者の利便性とサービス対応の充実、また職員の業務効率性向上と庁内の新しい管理運営実施を市は目標とされていました。このように規模の大きい政令指定都市の新庁舎移転計画は全てにおいてメガクラスで、本件に携われたことはとても貴重な体験となりました。
私共は開庁準備支援業務を受託し、3年半強の期間を掛けて、高層階(市役所機能)、中層階(議会機能)、低層階(市民利用機能)の全てではないですが、実施レイアウト計画から什器及び移転計画業務を中心に、開庁までのオフィス構築と移転に係わる総合調整に携わり、横浜市新庁舎の目指す姿の具現化に努めました。
ご担当者からは「十分な来庁者対応エリアの確保」と「職員間・組織間のコミュニケーションを活性化させ組織力向上につながる場の構築」を注力ポイントとして共有頂いたので、来庁者のプライバシーや相談内容等に配慮した打合せコーナーの確保を行い、開放的で視認性が高いオープンフロアとユニバーサルレイアウトによる組織変更時の職員増減も、柔軟な対応が可能となりました。フロア内の職員が共通で利用するコミュニケーションエリアでは、自然な交流が生まれているそうです。またサプライドックの提案により消耗品一括管理のコーナーを設けたことは、管理効率化の一助となったと思います。
予想以上に気をつかったのは、納品とご移転時期がコロナ禍となり、その感染防止策の徹底をしなければならなかったことです。遅滞なく予定通りの庁舎供用開始が出来たことは、間違いなく自負できます。
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コクヨマーケティング
関東支社 神奈川支店
堤 知孝
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コクヨ
官公庁コンサルティング部
石森 卓
コクヨ
官公庁コンサルティング部
繁浪 マリエ
事例写真一覧
市民利用エリア:よこはま建築情報センター
これまで分散していた道路台帳や下水道台帳、水道局の管路情報などの閲覧機能を集約。建築や開発に関する初期相談を行っている。
市民利用エリア:市民協働推進センター
市民等と横浜市の協働に基づき、地域における様々な課題の解決や新しい取組を創発するために、様々な主体の交流・連携が生まれる対話と創造の場。
市民利用エリア:市民協働推進センタースペースA・B
セミナーやイベントの催し会場等として利用されている。隣接するアトリウムに面する壁はガラスの可動間仕切りとなっており一体的な空間としても利用可能。
市民利用エリア:アトリウム
みなとみらい線馬車道駅と直結。関内・関外地区とみなとみらい21地区の結節点に位置する新庁舎を象徴するアトリウム。誰もが気軽に集い、親しみ、憩えるスペースとして、様々なイベントやセレモニーの場として活用されている。
オフィスエリア:フロア受付
来庁者から電話で目的の部署にご連絡をいただくと、担当職員は、来庁者をお迎えし、会議室や応接・相談ブースにご案内する仕組み。来庁者が自ら担当部署を探し訪れる負担を軽減。北側(港側)がブルー、南側(山側)がグリーンがイメージカラー。
オフィスエリア:応接・相談ブース
エレベーターホールから近く、外光が入る明るい空間に配置。主に来庁者と職員が打ち合せを行うエリア。プライバシーに配慮し、ローパーティションで区切られたブースが多く設置されており、一部の席は予約なしでも使用できる。
オフィスエリア:応接・相談ブース
モニターを配備したブースでは、ており、ペーパーレスでの打ち合わせが可能。
【横浜市新庁舎】オフィスエリア:執務エリア
オープンフロア・ユニバーサルレイアウトを採用。規格・デザインを共通化した什器を規則的に配置し、役職や業務特性に関わらずレイアウトを標準化しスペースを有効活用。組織変更等にも柔軟に対応可能。
オフィスエリア:コンセントレーションブース
執務エリア内の窓側に設置。小規模の打合せテーブルを吸音性の高いパネルで囲った半個室状(完全に閉鎖しない)の静粛性・閉鎖性を持った空間。一定期間の集中作業や面談等で利用。
オフィスエリア:コミュニケーションエリア
部門の垣根を超えた連携を促進するエリア。執務エリアとは異なる雰囲気の空間を形成し、職員が気軽に利用できる場。休憩や昼食の場としても利用可能。
リフレッシュルーム
職員が休憩や昼食時に利用できるほか、市庁舎以外に勤務する職員が出張時等に隙間時間を有効に活用して業務を行うことができるミニワークスペースを併設。職員同士の打ち合わせや、職員向けの情報発信スペースとしても活用されている。
本部運営室(危機管理センター)
災害等が発生した際には、横浜市の対策本部として、関係各所との情報受伝達、情報収集、連絡調整等を行うスペース。