PDCA
2017.06.28
PDCAを回すポイントをおさえよう!
PDCA2:PDCAを回す方法と得られる成果
PDCAを回す3つのポイント
前回、PDCAを回していくためには、3つのポイントがある、とお伝えしました。「一旦止まって考える」「分解する」「順番をつける」この3つです。
今回は、具体的にこの3つのポイントについて、どんな事を注意して実行すれば良いのか、そしてそれはどんなメリットがあるのか考えていきたいと思います。
①「一旦止まって考える」
PDCAを上手く回せていない人には、何も考えずに目の前の仕事に取り掛かってしまう、という共通点があります。
例えば、朝出社すると、全体の仕事の量やスケジュール、そこで求められている仕事の質などを確認せず、いきなり昨日の仕事の続きから始めてしまう。ミスが起こった時もよくよく考えずに、その場対応でミスを埋めあわせている。そんなケースが多く見受けられます。
PDCAを上手く回すためには、PDCAの各プロセスにおいて、まずは「一旦止まって考える」。何かを始める前に、しっかり考える癖をつけることが大切なのです。
新しい仕事に取り掛かる際は、始める前に全体の実施計画を考える。
仕事が溜まってきた時は、一旦止まって冷静に順番を考える。
ミスの原因を探る時は、他の仕事は一旦止めて、原因を究明する。
立ち止まることで、仕事の全体像を見ることができ、冷静な判断により、より大事な事やミスに気づくことができる、といった効果があります。なにより、立ち止まることで余計な作業を防ぎ、手戻りなどの二度手間を省くことにもなるのです。
「一旦止まって考える」これが、まず第1のポイントです。
②「分解する」
「止まって考える」の次は、「分解する」ことが大事です。立ち止まった時に、仕事をいくつかの角度から「分解する」のです。
例えば、“プロセス”“役割”“時間軸”などです。そして、この「分解する」ことも、PDCAの全てのプロセスで必要なのです。
計画を作る(Plan)際にも「分解する」
「いつ」、「誰が」、「何を」、「どのように」、というように5W1Hをヒントに分解しても良いでしょう。または、「自分」、「先輩」、「後輩」など、役割や担当する仕事内容で分解しても良いでしょう。
実施する(Do)際にも「分解する」
「緊急に対応すべき仕事かどうか」、「急ぎではないが重要な仕事かどうか」、この2つを考えるだけで、取り掛かる優先順位が決まります。
チェック(Check)して振り返る際にも「分解する」
例えば、数値的に把握できる売上などの場合、顧客数、販売単価などに分けて、チェックします。
そして、反省を活かす(Action)際にも当然「分解する」
「分解する」ことのメリットは、やるべき事に漏れがなくなる、やり忘れがなくなること。
未知の仕事や大きな仕事などの場合、自信がなくて不安になったり、面倒に感じてしまうことはよくあるものです。そんなときでも、仕事を「分解」して整理できれば、落ち着いて冷静な判断ができ、おのずと、「すべきこと」と「その方法」が見えてきます。
このように、「分解する」ことはPDCAを回す際にとても重要なポイントなのです。
③「順番をつける」
最後に「順番をつける」ことです。これは先程の「分解する」の次に行います。分解した上で、そこに「順番をつける」のです。
計画を立てる(Plan)際には
「分解して」やるべき事を洗い出し、そのやるべき事に「順番をつける」。取り組む順番でも良いですし、依頼する順番でも良いでしょう。
実施する(Do)際には
対応を急ぐものから優先して取り掛かれるように「順番をつける」
チェック(check)して改善(Action)する際には
計画通り実施できているか、チェックをして「改善する順番をつける」
順番をつけると、「次はどの仕事をしよう・・・」と悩まなくてすみますし、一つひとつ片付いていくので、達成感も得られます。また、万が一、スケジュールが厳しくなった場合でも、各仕事の優先度がわかっているので、手をつける順番を見直してスケジュールを調整するなど、冷静な判断と対応ができるのです。
このように、PDCAを回していくためには、3つポイントがあります。
「一旦止まって(落ち着いて)考え」、焦らずに仕事を「分解して」、冷静に「順番をつける」、これが重要なポイントです。
単純にPDCAを知っていて、取り組めていると思っていても、うまく回せていないと感じたら、この3つをチェックしてみましょう。
原 佳弘(Hara Yoshihiro)
Brew(株)代表取締役。人材育成プロデューサー/マーケティングコンサルタント、中小企業診断士、中小企業基盤整備機構認定 人材支援アドバイザー。1973年生まれ。横浜市立大学卒業。(旧)建設省所管の市場調査機関にて経営企画を担当後、法人向け研修・コンサルティングを行う会社へ。階層別研修から営業やマーケティングなど専門領域の研修やコンサルティングの設計を10年以上行う。2014年、Brew(株)設立。専門分野を持った300人以上の講師コンサルタントとパートナーを組み、企業課題に応じたマーケティングコンサルティングや人材育成を企画提供している。著書に「研修・セミナー講師が企業・研修会社から選ばれる力(同文館出版)」がある。