仕事のプロ
2020.04.17
『サードプレイス』
自宅でも職場でもない第3の場
家をファーストプレイス、会社のオフィスをセカンドプレイスとしたときにそれ以外の場所をサードプレイス「第3の場」と呼ぶ考え方があります。元々はインフォーマルな公共の集いの場や落ち着ける憩いの場を指す言葉ですが、最近は自宅やオフィス以外の働く場として、サードプレイスが注目されています。
例えば、カフェやファミリーレストラン、コワーキングスペースなどここ数年ノートパソコンひとつで様々な場所で仕事をするビジネスパーソンを見かけることが増えました。今までは外出中の隙間時間の活用として利用することが多かったのですが最近は積極的にサードプレイスに通い仕事をするケースが見受けられます。主な利用パターンは2つです。ひとつは打合せスペースとして、もうひとつは個人の作業スペースとしてのサードプレイスです。
一般的にミーティングは自社の会議室で行うか相手の会社で行うかのどちらかがほとんどだと思います。毎回どちらかが客として相手を訪問し、もう片方がおもてなしをする形となり、対等な雰囲気を作りにくくなってしまいます。そんな時サードプレイスを活用し、どちらにも属さない中立的な場で打合せをするケースがあります。
また。個人の作業の場としてのサードプレイスが注目される理由は、人それぞれ集中できる場というのは様々だからです。弊社でも一番集中して業務ができる場を社員にヒアリングしたとき図書館の自習室のような静かな所がいいという人や、お気に入りのカフェで音楽を聴きながら仕事をするのが一番はかどるという人などがいました。当たり前のことかもしれませんが、自分の好きな空間は人それぞれです。100人の社員がいれば、100通りの快適な空間があります。それをすべて会社が用意することは到底できることではありません。そんなとき、すでに外部にある個人それぞれの快適な空間を活用してみるというのはいかがでしょうか。
金森 裕樹(Kanamori Yuki)
働き方と学び方を研究するコクヨの研究機関「ワークスタイル研究所」研究員。ワークスタイル情報メディア「ワークサイト」副編集長として雑誌・webで情報発信している。