HOME > オフィスづくりに役立つコラム > 働き方用語辞典 「M字カーブ」
公開日:2024.2.26
執筆:コクヨコラム編集部
「M字カーブ」とは、女性の労働力率をグラフにしたとき、労働力率が結婚や出産期にあたる年代において低下し、その後再び上昇する現象のことです。
女性が出産や育児で職場を離れ、育児が落ち着いた時期に再び仕事につく人もことが多いことから、労働力率グラフがM字形状を描き、その様子がM字カーブと呼ばれています。
第4図 女性の年齢階級別労働力率(M字カーブ)の推移
(出典: 男女共同参画白書 令和4年版(内閣府男女共同参画局))
このようなM字カーブがみられるのは、「女性は、結婚・出産後は退職し家庭に専念するもの」といった、社会的通年が背景にあると言われています。過去の調査年に比べると少しずつM字はゆるやかになってきていますが、2021年度の調査では労働力率が「25-29歳」でピークに達し、「35-39歳」で下がり、「40-45歳」で再び上昇しています。
職場を離れる理由は制度や家庭の事情などさまざまですが、キャリアが途絶えたり、それにより生涯所得が低下することが問題とされています。
先進諸外国においては、1970年代の欧米にM字カーブが見られていましたが、近年、米国やスウェーデンなどの女性の労働力率は特定期の労働力率の低下はみられず、グラフでは台形(逆U字型)です。M字カーブは日本や韓国などに見られる傾向といわれています。
一方、近年日本では女性就業者数の増加に伴い、M字カーブは解消に向かいつつあります。
女性活躍推進法(2015年)など制度に加え、未婚率の増加や晩婚化、子どものいない既婚者が増えたことで2019年6月に女性就業者数が3000万人を突破した影響によるものとみられます。
M字カーブをさらに解消していくためには、年齢や性別に関係なく、誰もが能力を発揮できる機会を作り出すことが大切です。性差による待遇差の改善や長時間労働の抑制はもちろん、リモートワークやフレックスタイム制度などを柔軟に導入するなど、長期的な視点で、仕事とライフスタイルを調和していくことが望まれます。
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