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働き方用語辞典 「アンコンシャスバイアス」

公開日:2024.3.21

執筆:コクヨコラム編集部

#仕事術 #働き方用語辞典

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働き方用語辞典 「アンコンシャスバイアス」

アンコンシャスバイアス

自分自身が気づいていない無意識での偏ったものの見方や捉え方

「アンコンシャスバイアス」とは、過去の経験や見聞きしたことが基となり、無意識のうちにあらゆるものを自分なりに思い込んだり、決め付けたり、歪んで解釈することです。「無意識の思い込み」、「無意識の偏見」とも表現され、「アンコンシャス(unconscious・無意識)」と、「バイアス(bias・偏見)」を組わせた言葉です。

アンコンシャスバイアスは他人や個人だけでなく、自分に対してや集団としても発生し、もともとは人間が迅速な状況把握をするための機能です。しかし、偏った見方や先入観によって、人を傷つけたりストレスを与えることがあります。

「年齢が高いのにデジタルツールに強い」、「女性/几帳面だから仕事が丁寧」といったことも、一見誉め言葉のように聞こえますが、その人個人の努力を無視したアンコンシャスバイアスのうえに成り立っている発言ともとれます。

アンコンシャスバイアスにはさまざまなタイプがあり、ビジネスシーンや組織マネジメントで注目される「確証バイアス」、「近接性バイアス」なども含まれます。どれも放置すると組織としての機会損失、人間関係の悪化、重大な判断ミスなどの悪影響がもたらされます。

日常に存在するアンコンシャスバイアスに気づくことは、ハラスメント防止やモラル・コンプライアンス向上につながるだけでなく、働き方の多様化や多様性の促進のためにも非常に重要なことといえます。

■ビジネスシーンにおけるアンコンシャスバイアスの具体例


<役割・役職に関すること>
・お茶出しや雑務、アシスタント業務は女性や若手の仕事だ
・力仕事や運転は男性や若手がするべきだ
・飲み会の幹事は新人がするものだ
・管理職は男性が向いている、子どものいる女性は向いていない

<態度・評価に関すること>
・上司を持ち上げない部下は素質がない
・経験や年次が浅い社員は知識が少ないから仕事ができない
・有名大学卒の社員は信頼ができる
・年齢や性別、役職などによって態度を変える
・上司より先に帰るのは失礼だ、定時で帰る人はやる気がない
・シニアや時短社員には負担が大きいので最初からプロジェクトに呼ばない

<自分に対して>
・自分は若い/年齢が高いからできない
・自分は業界知識がないから仕事ができない
・先輩もさぼっているから自分も大丈夫だろう

■アンコンシャスバイアスがもたらす悪影響

―アンコンシャスバイアスが起きている会社や組織
・イノベーションが生まれにくい
・生産性やパフォーマンスの低下、離職率の増加
・コミュニケ―ションの阻害、人間関係の悪化
・ハラスメントの発生
・採用や評価、意思決定などにおいて公正な判断ができない

―自分に対するアンコンシャスバイアス
・マイナス思考になりやすい、あきらめてしまう
・新しい挑戦を恐れる、成長の可能性が狭まる
・モチベーションが低下する
・疎外感や孤独感を感じる

アンコンシャスバイアスをなくすためには、まずは日頃の言動や行動、考え方の癖を見直し、自覚することが大切です。しかし、これらは長年の経験や先入観が影響しており、個人で直すには容易ではありません。

会社でアンコンシャスバイアス対策の研修を取り入れ、社員に研修を提供することによって、個人のアンコンシャスバイアスが解消され、社内で偏見や差別のない働きやすい環境を作ることができるでしょう。

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