HOME > オフィスづくりに役立つコラム > ジョブ型とは?その特徴やメリットを紹介
2021.9.21[ 働き方 ]
新型コロナウイルス感染症の拡大により、リモートワークを導入する企業が増えてきました。そこで注目されているのがジョブ型の雇用方法です。では、ジョブ型とはいったいどのような雇用を行うのでしょうか。今回は、ジョブ型雇用について紹介します。
ジョブ型雇用は、従業員の職務内容を明確にし、労働時間に関係なく、その職務での成果で評価する雇用制度のことです。能力や成果が採用基準となる雇用システムであり、「正社員」や「非正規雇用」などの雇用形態は問いません。
このジョブ型雇用は、働く場所、時間にとらわれない多様な働き方を取り入れたい企業や、専門的知識のある人材を採用したい企業にとって相性が良い制度です。
一方、このジョブ型雇用と対照的な雇用システムとして、メンバーシップ型雇用があります。メンバーシップ型雇用は、「日本型雇用」とも呼ばれ、新卒一括採用などによって、長期的に企業を支える人材育成を目的とした働き方をするシステムです。
ジョブ型雇用にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここではジョブ型雇用の6つのメリットについて紹介します。
ジョブ型雇用では、仕事内容や勤務地、報酬などの条件を詳しく提示して募集をかけるのが一般的です。そうすることで、人材が求める雇用条件と企業が求める人材像の齟齬が軽減し、お互いに「思っていたのと違った」といったミスマッチが起きづらくなります。
総合職採用という言葉があるように、業務を幅広く経験することを前提とする一般的な日本の雇用スタイルと異なり、ワーカーが始めの雇用条件の取り決めにない業務を行うことはなく、専門性を高めやすいとされています。専門性が高まると、さらなる成長が見込めるので、企業側にも大きなメリットとなります。
上記で述べたように、人材の成長スピードが早まることで、業務の効率化が図れるというメリットもあります。人材が成長すればするほど、業務自体が活性化し、新たなアイデアや工夫が生まれるのです。
ジョブ型雇用では、雇用契約で定めた業務を遂行してさえいれば、企業は従業員側に労働時間や休暇の取得、勤務場所などの裁量を、持たせることが多いです。在宅勤務をはじめ、リモートワークを基本とする場合、企業は、パソコン、スマートフォンなど業務に必要なデバイスを用意すれば良いので、オフィスの増床、家具の購入など新たなオフィス環境の構築は不要になります。
ビジネスにおいて必須になっているデジタル化を進める中で、企業に不足するスキルや知識が明らかとなり、採用するべき人材が見えてきます。自社にとって足りない人材やスキルが明確になっていれば必要な業務を具体的に示すことができ、国内外を問わず、より多くの人材とマッチングできる可能性が広がります。
ジョブ型雇用によって、企業により洗練された専門的な視点が入ることとなります。こうした新しい価値観や発想を社内に取り込むことは、新規事業の開拓や事業拡大への大きな足がかりをつくることにも繋がるのです。
ここまででジョブ型雇用のメリットについて紹介しました。メリットの多いジョブ型雇用ですが、取り入れる際にはいくつか注意点もあります。ここでは、ジョブ型雇用の導入にあたって必要なことについて紹介します。
ジョブ型雇用を導入するときは、労働基準法施行規則第5条により労働条件の明示が定められています。ジョブディスクリプションによって、ジョブ型雇用であることや、職務の具体的な内容、限定される条件について明確にすることが必要です。
ジョブ型雇用を希望する求職者も、ジョブディスクリプションや企業ホームページなどを参考にしながら応募先を絞るため、わかりやすく、細かく記載しておく必要があります。
就業規則でジョブ型雇用について定めることも必須となります。就業規則に定められていなければ企業と従業員の間で認識の違いが生まれ、トラブルに発展する可能性が考えられるためです。
雇用形態が大きく分けられている場合は、雇用形態ごとに就業規則を作っておくのも良いでしょう。
ジョブ型雇用でほしい人材を逃さないためには、企業の魅力を伝えることも大切です。ジョブディスクリプションだけを詳細に明記しても、企業の魅力は伝わりません。採用サイトを作成して、企業の魅力をわかりやすくしっかり伝えましょう。
ジョブ型雇用は通常の雇用形態と比べると働き方の自由度が高くなります。
自社オフィスを設ける場合、そうした働く場所や時間に捉われない働き方を志向するワーカーに好まれ、パフォーマンスを発揮できる環境を考える必要があります。例えば、同じオフィスの中にもインテリアのテイストが異なるスペースを設けたり、家具の種類にも選択の自由度を持たせたり、テーブルとイスが並んだ画一的なオフィスではない空間が求めれるのではないでしょうか。
また、ジョブ型雇用は業務委託ではないので、企業へのエンゲージメントを高めることが必要です。エンゲージメント向上にも自社オフィスの環境整備が有効と考えられます。現在、多くの業務が在宅勤務をはじめとするテレワークで進められる状況ですが、エンゲージメント向上の観点では、オフィスで同僚とコミュニケーションをとる、経営者やマネージャーのビジョンを理解し共感するといった経験を通して、企業風土の醸成や、この企業の一員であるという意識の浸透が重要です。
あえてオフィスに来たくなる仕掛け、例えば、自宅より生産性高く働けるハイスペックな環境がある等を用意して、業務の質を上げながら、エンゲージメントも向上させていくような取り組みが考えられます。
今回はジョブ型雇用のメリットや導入の際の注意点について紹介しました。日本ではまだ少ないジョブ型雇用ですが、海外では一般的な働き方として定着している国もあります。新型コロナウイルスの感染拡大により、以前よりリモートワークやさまざまな形態の働き方が増えてきました。
日本でも、今後はジョブ型雇用を採用する企業も増えてくることが想定されます。組織の競争力を維持・向上するためにも、ジョブ型雇用の採用も視野に入れて、事業を運営することも大切なのではないでしょうか。
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