2021.7.13[ オフィス空間 ]

ニューノーマルとは?
ニューノーマル時代のオフィスの在り方とは?

#Covid-19対策 #トレンド #ハイブリッドワーク

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ニューノーマルとは?ニューノーマル時代のオフィスの在り方とは? ニューノーマルとは?ニューノーマル時代のオフィスの在り方とは?

新型コロナウイルスの感染拡大によって、私たちの働き方は大きく変わろうとしています。

ポストコロナにおけるニューノーマル時代の到来で、働き方改革は転換期を迎え、オフィスの在り方も変革が求められています。

ニューノーマルとはどのような状況を指すのか、また、ニューノーマル時代のオフィスの在り方について考えていきます。

  

ニューノーマルとは

ニューノーマルとは、社会に大きな変化が起こった結果、それまでの常識に替わって新しい常識が定着する状態のことを指します。変化が起こる前とは同じ状態に戻ることができない点においても、新型コロナウイルスの感染拡大によって社会の大変化が起こった現在は、まさにニューノーマルという言葉がぴったりな状況でしょう。

感染リスクを減らすために、人と人との間に距離を保つこと、人との接触機会を減らすこと、換気をよくすることなどに対応し、人々は生活様式を大きく変えました。

新型コロナウイルスの感染拡大による生活様式や環境の変化によって、働き方も急速に変わりました。

社員が自宅から外出できない状況で仕事を滞りなく進めるために、企業は急速にテレワークの導入や仕事のオンライン化の対象を拡大し、働き方に応じてワーカー自らが働く場所を選択できる状況が広がっていきました。

これまでの社会通念が強制的にアップデートされたことで、多くの企業・組織がニューノーマル時代の働き方を模索しています。先行きが不透明で、不確実性が高まる中、柔軟性があり変化に対応できるレジリエントなワークプレイスへの進化が求められています。

また、在宅勤務やリモートワークが一般的になる一方、オフィスに行くことが感染リスクにもなりうる状況となり、オフィスに行くことの意味は揺らいでいます。これまでは、通勤することが当たり前だったものが、これからは「なぜオフィスに行くのか」、その意味や役割がこれまで以上に問われています。

ニューノーマル時代のオフィスの役割について考えていきましょう。

ニューノーマル時代のオフィス戦略

このニューノーマル時代に企業が効果的なオフィス投資を行うためには、短期と中長期の 2 つの視点を見据えたオフィス戦略を同時に行うことが必要です。変化に対応できる強い組織に進化するために、オフィスが果たす役割をしっかりと定義していくことで、投資効果を期待することができます。

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新型コロナウイルス感染拡大を受け、多くの企業が、 まず、社員と事業の安全を第一に優先させ、感染防止対策を行ってきました。短期的視点として、感染拡大を防ぐためオフィスの見直し、オフィス運用の変更をスピード重視で進めています。

一方、これからのニューノーマル時代においては、中長期的なビジョンの元、社員の健康・成長・幸福を実現するための施策や、変化に強くイノベーティブな組織を実現するための新しい働き方が今後推進されるでしょう。

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まずは、5つの基本指針「距離」「密度」「換気・衛生」「非接触・遮断」「導線」に沿ったオフィスの見直しやオフィスの運用変更を行い、感染拡大防止に対応することが重要です。

中期的には、5つのテーマ「運用・しくみ」「空間・場」「ファニチャー・ツール」「テクノロジー」「リモートワーク」に沿って新しい働き方を推進し、今後、新型コロナウイルスのような予期せぬリスクが発生しても、平時と同じく生産性を落とさずに働くことができるように、順応していくことが重要になります。

オフィスでの感染拡大を防ぐ基本指針

感染拡大防止の施策等については現段階で既に実施済みの所も多いかと思いますが、まずはオフィスでの感染拡大を防ぐための以下の基本指針について、振り返りの意味も含めて挙げさせていただきます。

1.距離

ワークポイントの距離は、2m以上を目安に確保しています。

出社率を設定したり時間をずらして出社することにより、出社人数を調整することで対応可能です。机上にパネルを設置するか、対面では着席しないようにします。デスク間の距離が狭い場合は、2m以上(推奨)確保するようにし、通路幅も1.6m~1.8mを確保することを推奨しています。

2.密度

一人当たりのワークスペースをできるだけ広く設定し、個室は人数を最小限にしています。

複数のワーカーが共有で使うスペースについては、予約制を導入することで、オフィスの人口密度を低く抑えるように管理しています。また、GPSやセンサー、カメラなどを利用してオフィス内の位置情報を取得し、ワーカーの滞在時間や場所、移動状況を分析して、密集・密接を回避しています。

3.換気・衛生

換気量の確保や窓の解放、空気清浄により新鮮な空気を保ち、消毒による衛生環境を確保しています。

会議室などの個室は、空気の換気・循環を十分に行う必要があるため、窓を開放し、補助的に、サーキュレーターや空気清浄機などの活用を徹底しています。扉の開放による音漏れ対策には、サウンドマスキングの導入を推進しています。

4.非接触・遮断

共用エリアの利用、共用物などをできるだけ非接触にするか、あるいは仕切り等で遮断しています。

共用物はできるだけハンズフリーで使えるようにするか、パーソナル仕様に変更しています。例えば、扉のハンドルや消毒液は手で触れなくてよいものを導入したり、共有収納から個人収納への変更を推進しています。

5.動線

十分な通路幅を確保して、複数の動線を選択できる配置とし、オフィス内の通行ルールを設定しています。

メイン導線は一方通行とし、対面や接触による感染拡大リスクを低減させ、床の貼り分けやサインで動線を明確化します。人が集まるコピーエリアやリフレッシュエリアなどのマグネットスペースは、分散配置を推進しています。

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オフィスの感染症対策とは

ニューノーマル時代のオフィス戦略として、新型コロナウイルスの感染拡大防止を主軸としたオフィスの大転換が必要とお伝えしましたが、その一例として、オフィスにおける感染症対策について、コクヨでの取り組みを一部ご紹介します。

コクヨでは、大方針(2020年3月10日作成、2021年1月7日更新)として以下の3つを掲げています。

①安全確保のガイドラインの策定と運用

・フィジカルディスタンスを確保する

 (オフィス内、現場、外出、出社、帰宅... など)

・オフィス内の飛沫感染対策の実施

②働く場所の柔軟化

・オフィスワークと効率的なリモートワークのバランスを取りながら

 在席率50%以下を維持する

・コミュニケーションは目的に応じてWebとリアルを上手に使い分ける

③働く時間の柔軟化

・時差出勤で満員電車回避など安全確保の工夫

・時間制約のある業務の見極めと手直し着手

 (来客受付対応は10~16時、お客様相談室は2020年7月より9~16時に)

ニューノーマルに対応したオフィスの在り方について、執務エリア、会議室、フリースペース、食事スペース、清掃については以下の通り行っています。

◎執務エリアの取り組み

・執務エリアの在籍率は約50%を目安に調整。

・十分な距離を取って着席。(1.2m以上空けて座る。距離が取れない場所ではアクリルパネル等を使用)

・固定席などで出社した社員が対面の座席になる場合は、ミーティングスペースやフリースペースを利用。

・フリーアドレスの場合は、可能な限り終日同じ場所での執務を推奨。

◎会議室での取り組み

・会議室の定員は、フィジカルディスタンスを確保した定員数に変更。

イスやテーブルの天板部分には、着席場所を明示して、フィジカルディスタンスを確保。

・1時間以上の長時間の会議は可能な限り避ける。

・ドアは開放し、定期的に換気する時間を設定。

◎ミーティングスペースやフリースペースでの取り組み

・密にならずに、フィジカルディスタンスを確保できるように、イスを一部撤去し、テーブルの天板に着席場所(もしくは、着席不可の場所)を明示。

◎昼食の食事スペースについての取り組み

・出社している社員の人数に応じて、昼食の時間帯をずらしてとる。

・食事は十分な距離を取り対面には座らず、必ず1席以上空けて座る。

◎清掃についての取り組み

・帰宅時に着席した周辺は除菌シート等での清掃をするように社員を指導している。

・打ち合わせで使用したテーブル等も、使用のたびに必ず拭くようにしている。

ご覧いただいたように、感染対策を十分に行いながら、社員の健康を守り、安全な環境づくりを進めることで、 オフィスに求められる生産性やイノベーティブな環境を維持・促進していく、ニューノーマル時代のオフィス運営について検討する必要があります。

 

 

ニューノーマルな働き方に合わせたオフィスの転換が必要

感染拡大防止の対策を行いながら、これからのニューノーマルな働き方に合わせたオフィス転換が必要になります。つまり、新しい働き方を推進し、予期せぬリスクや変化にも対応し、生産性を落とさずに働き続けることができるように、環境に順応していくことが重要になります。

コクヨでは、新しい働き方を推進するための5つのテーマを設定しています。

1.運用・しくみ

機器や変化に対して、柔軟に対応できる方針と運用ガイドラインを策定します。先ほど事例でご紹介したコクヨ「大方針」がこれに当たります。

2.空間・場

従来のオフィスの組み立て方に、新たに6 つの視点を加え、行動変容に対応したオフィスづくりを行います。

3.ファニチャー・ツール

オフィスに求められる高機能・専門性への特化と、デジタルワークへのサポートを行います。

4.テクノロジー

距離や時間を超えて人や情報をつなぎ、オンラインとオフラインを融合したワークスタイルを加速させます。

5.リモートワーク

健康やモチベーションを維持し、ワークとライフのバランスがとれた自律的な働き方を実践します。

これら5つのテーマについての詳細は、WXコンセプトブックvol.1をご覧ください。

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ニューノーマル時代におけるオフィスの意味とは

新型コロナウイルス感染拡大に伴、オフィスへ通勤することが当たり前だった人々も、多くの人が半ば強制的にテレワークという新しい働き方を体験することになりました。会社のデータに自宅からアクセスし、会議や商談もオンラインで行うことが当たり前になるなど、仕事の場がオンラインへと一気に広がりました。

1stプレイスである自宅から、2ndプレイスであるオフィスへの移動が必須ではなくなった代わりに、1.5プレイスともいうべき自宅内オフィスの整備が進みました。今日のようなオンラインで働く場のことをコクヨでは4thプレイスと位置付けました。

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在宅勤務の比重が増したことは、ワークとライフの両面に大きな変化をもたらしています。

ニューノーマルへの転換がさらに進めば、多様な働き方と、デジタルトランスフォーメーションへの移行はさらに進んでいくことでしょう。

つまり、このニューノーマルな働き方を経験して、多くの人が、今までオフィスで行っていた仕事が、自宅やカフェ・コワーキングスペースで足りる部分と、オフィスでなくてはならない部分とに分けられることに気づき始めています。

オフィスでなくてはならない仕事、オフィスでやりたい仕事に合わせた新しいオフィスへの転換が迫られています。

ニューノーマル時代のオフィスの在り方

ニューノーマル時代のオフィスの在り方を考える上で、重要なことは何でしょうか?

在宅勤務やリモートワークが一般的になる一方、オフィスに行くことが感染リスクにもなりうる状況となり、オフィスに行くことの意味は揺らいでいます。

これまで通勤して出社するという当たり前だったことが、ポストコロナのニューノーマル時代において、オフィスに行く意味や役割がこれまで以上に問われています。

拠点間をつなぐWEB会議や、リアルな場の方が捗るビジュアルシンキング、リアルな場だからこそできる気軽な相談・雑談など、COVID-19による強制的なリモートワークを体験したことで、本当にオフィスに必要なアクティビティが明確化してきました。

コロナ禍におけるオフィスの役割は、高機能・専門性を高めるように進化し、個・組織・社会をつなぐ役割の重要性が高まります。そこで求められる役割は大きく3つあります。

センターオフィスの3つの役割

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・ここ(オフィス)でしかできない体験 「ハイスペック&スペシャル」

 専門性の高い業務やハイスペックPCなど高機能な機材を扱う業務は、ワーカーの自宅にその環境を構築することは現実的ではありませんので、オフィスの役割の一つとなります。また、試作や実物といった"モノ"をつくる・触る業務もオフィスでしかできない業務の一つです。このようなオフィスでしか対応できない業務を推進する環境が、これからのオフィスには求められます。

・個と組織をつなぐ求心力 「カルチャー&エンゲージメント」

 今までもオフィスは、毎日働く仲間と顔を合わせる場を提供し、企業風土や帰属意識を培う土壌の役割をしていました。ニューノーマルな働き方においても、企業風土の醸成や帰属意識、人と人をつなぐ、チームビルディング、誰が何をできるか把握し合うといった関係づくりの機能としてオフィスの役割が求められます。

・社会性を継続させる場 「ウェルビーイング&バランス・リズム」

 テレワーク推進によるメリットがフォーカスされがちですが、ニューノーマルな働き方への転換によって、社員同士での会話が減った、生活リズムが崩れた、運動不足が否めない...などの弊害も聞こえてくるようになりました。オフィスに求められるのは、社会性を継続させる場で、ワーカーが他者や自分と異なる考え方と交わる機会、気分転換や心のバランスを取る、通勤による生活リズムの確保や身体性の回復などを意識したライフスタイルを維持する機能が求められます。

 

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このように高機能・専門性の進化や、個・組織・社会をつなぐ役割が、センターオフィスに求められる機能となっていくでしょう。その上で、オフィスで誰とどのようなアクティビティを行うのかという「目的」とオフィスに求められるものは何かという「機能」、それぞれをそれぞれの企業の経営方針を踏まえながら分析することで、オフィスの位置づけを定義することができます。

「なぜオフィスに行くのか」「オフィスでどのようなアクティビティを行うべきなのか」というテーマを踏まえた、オフィスのアクティビティの分類とそれにともなうワークプレイスをデザインするための戦略が必要です。

ワークプレイスが多様化する中で、あらためてセンターオフィスの役割について考察を深めることは不可欠ではないでしょうか。

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