HOME > オフィスづくりに役立つコラム > 【オフィスのチカラ】ABWって何ですか?
2022.5.27[ 働き方 ]
働き方改革の取り組みに伴ってオフィスのあり方を見直す企業が増えています。そのなかで注目されている考え方がABW。ABWとはActivity Based Working(アクティビティ・ベースド・ワーキング)の略で、業務や気分に応じて時間と場所を自ら選択できるワークスタイルです。オフィス内だけでなく自宅やカフェなどのオフィス外の場所もその選択肢に入っています。元々はオランダから始まったワークスタイルですが、「社員が一人ひとりの多様な能力を最大限に発揮する」「コミュニケーションによってチーム力を高める」「クリエイティブな発想を生み出す」ことを目的に国内でも導入が進んでいます。
ABWは本来「時間と社内外の場所を自ら選択できるワークスタイル」を指しますが、それぞれの会社の制度やツールの整備状況により「場所の自由度」と「時間の自由度」を組み合わせて適用することがあります。
狭義では「場所の自由度」を指すことが多く、ABWのオフィスでは「こもって集中作業」「リラックスしてアイデアを練る」「周りの人と会話しながらブラッシュアップする」など様々なタイプのワークスペースを自由に使えるように用意することがポイントとなります。
フリーアドレスは主にスペースの効率化を図るため、ABWは生産性や働きやすさの向上を目指しています。しかしスペースには限りがあるため、ABWの考え方を取り入れたオフィス空間を構築する企業の多くは、フリーアドレスと併用して通常の執務席スペースを削減することで新たに生まれたスペースを多様な場づくりに充てています。
リラックスしたワークスペースにいる、目を閉じて頭の中で思考している...など従来の働き方と違うものを「さぼっている」と捉える風土だとABWの成果は出せなくなります。ABWではワーカー同士の「多様なワークスタイルの許容」が大前提となります。
ノートパソコンや携帯電話などのツールやオフィス外の勤務に関する取り決めなどフリーアドレスやテレワーク同様の制度・ツールの整備が必要です。多くの会社では場所への依存を減らすために、紙書類の削減や決裁の電子化なども図っています。
部下が目の前にいれば普段から様子がうかがえますが、ABWの環境であれば適切なサポートを行うためには意識的に部下とのコミュニケーションを持つ必要があります。「1on1ミーティング」とよばれる定期的な上司と部下とのミーティングを制度として取り入れている会社もあります。
ワークスペースの種類を増やすために、オフィスチェアーのある席を極端に削減すると、在席時間の長い人にとっては働きにくくなるおそれがあります。席数のバランスは在席率を考慮しましょう。また、占有が起きないように放置荷物の片づけや運用ルールの策定が必要です。
このように聞くとハードルが高く聞こえるかも知れませんが、手始めに荷物置き場になっているスペースがあれば片づけて集中ブースを作ってみる、ミーティングスペースをカフェ風にしつらえてソロワークで使ってよいことにするなど、出来ることからはじめてみる方法もあります。あなたの会社でもABWを取り入れてみませんか。
このような働き方を支えるコワーキングスペースが都内を中心にどんどん増えています。インキュベーションやイノベーションを目指すもの、外出先でのモバイルワークをサポートするもの、郊外の自宅に代わるテレワークスペースとなるものなどそれぞれの施設ごとに特長があります。しつらえも、セキュリティを重視、コミュニティ形成を重視など様々です。法人契約ができるところも多いので、自社の利用目的にあわせて活用してみませんか?
働き方・家具・オフィス空間の
最新情報をチェック!