ご担当者の声
大熊町は、東日本大震災に伴う原子力発電所の事故の影響を受け全町民が長期に及ぶ避難生活を強いられました。帰還困難区域等に指定された町は、人が住めなくなり生活の場や雇用の場が失われました。震災から8年以上経過した2019年4月に一部の地域で避難指示が解除され震災後初めて町内に人が住めるようになりました。帰還者の生活を支えるためにも町は、早期に雇用の場を創る必要がありました。一般的な企業誘致も行いましたが、新しい基幹産業を創り出すために、大熊町を実証・実装の場として自社の事業を成長させたい、大熊町の抱える課題を解決したいと考える企業や起業家を呼び込み、共創し合うための場所として大熊インキュベーションセンターを準備しました。
場所の検討においては、町民にとって思い入れのある施設であることを一番に考えました。旧大野小学校の校門には「希望がある. 夢がある. だから めあてをもって努力する」との標語が掲げてあり、大熊インキュベーションセンターの目指す姿と合致していました。建設から40年が経過した校舎でしたが、新しい場を創ると同時に町民が懐かしむ場として蘇らせることを目標に改修を行いました。その甲斐もあり現在は、起業家や企業だけでなく町民も訪れる交流の場にもなっております。
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福島県双葉郡大熊町
企画調整課
菅原 祐樹氏
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