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リーダーのためのマナー
2017.04.07
成果ばかりをほめても部下は達成感を得られない
リーダーのためのビジネスマナー10:ほめ言葉のポイントは「成長」
部下の小さな進化を
見逃さずに指摘する
部下をほめるとき、自分の目にとまった部分を無造作に口にしていませんか? そのままでは、せっかくほめても部下の心に響かず、リーダーであるあなたの評価まで下げてしまいかねません。
例えば営業成績を伸ばした部下をほめるとき、金額や売上げ数に注目するリーダーが多いかもしれません。しかし、目標の数字を達成した喜びは一瞬のものです。他の社員がさらに成績を上げれば、あなたは「もっと頑張れ」と部下の尻をたたくことになります。部下は「自分を評価してくれたわけじゃないんだな」と改めて気づき、失望します。
一流のリーダーが真っ先にほめるべきは、「部下の成長」です。「お客さまと話すときの笑顔がとても自然になったね」など、以前はできなかったことができるようになったのに気づいたら、すぐに指摘してあげましょう。上司に指摘されることで、部下は「自分は変わることができた」と達成感を感じ、モチベーションを高めます。
ネガティブな意見の中にも
ほめるべきポイントはある
ほめるべきポイントは、部下の上げた好成績やお客さまからの評価など華々しいトピックばかりではありません。例えば会議で部下からネガティブな意見が出てきたときは、危機管理意識が身についてきたことを成長の証として評価することもできます。「ポジティブにいこうよ」と自分の価値観を押しつけず、今までとは違った視点で物事を見られるようになったことをほめるのです。
成長をほめるためには、普段から部下の行動を気に留め、小さな変化を見逃さないことが求められます。リーダーのほめ言葉が部下の心に響くのは、「自分を見守ってくれている」という安心感によるところも大きいのです。
中谷 彰宏(Nakatani Akihiro)
早稲田大学第一文学部演劇科卒業。博報堂でCMプランナーとして活躍ののち、91年に独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス・恋愛・教育・自己啓発など多彩なテーマで執筆活動を行い、多くのベストセラー・ロングセラーを出版。また、「中谷塾」を主宰し、一流のリーダーをめざすビジネスマンに向けて全国でワークショップや講演会を行っている。『なぜあのリーダーに人はついていくのか』(ダイヤモンド社)、『部下をイキイキさせるリーダーの技術』(リベラル社)など著書は1000冊を超える。 【中谷彰宏公式サイト】