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リーダーのためのマナー
2017.03.15
自分の損得で動くリーダーに部下は決してついてこない
リーダーのためのビジネスマナー9:公共心を行動の軸にする
公共心のない行動をとれば
部下は離れていく
1912年に起こったタイタニック号の沈没は、世界最大級の海難事故として今も語り継がれています。一等船室には当時のリーダーもたくさん乗っていましたが、彼らは「自分たちは後でいいから、女性や子ども、お年寄りを救助船に乗せてください」と順番を譲ったそうです。一方で、女装をして救助船に紛れ込もうとした男性もいたといいます。
救助船に乗る順番を譲る行為と、よこしまな手段を使って助かろうとする行為。リーダーとしてどちらの行動をするべきかは明確です。公共心を持たないリーダーに、部下がついてくるわけがないからです。
公共心のリレーが
部下にもチャンスをもたらす
リーダーであるあなたは、普段から「自分の行動は公共心にのっとったものか」を考えて動く必要があります。例えば新幹線に乗って、リクライニングシートを倒して座りたいと思ったときは、後ろに座る人に「シートを倒しても構いませんか?」とまず一声かけたいものです。
この行動を見た部下は、「これが大人のマナーなんだな」と理解して真似をするようになるでしょう。そして公共心をもった行動を積み重ね、例えば取引先の目にとまることがあれば、あなたの部下は仕事で大きなチャンスをつかむきっかけを得られます。公共心を軸にしたマナーが、リーダーであるあなたにも部下にもよい効果をもたらすのです。
ただし注意したいのは、自分では意図していなくても、周りに迷惑をかけている可能性もあるということです。公共心という観点をもって行動を振り返り、マナーレベルを上げていく必要があります。自分の視点だけでは限界があるので、一流のリーダーが集う場所へ行き、行動を観察して刺激を自分に送り込むことも大切です。
中谷 彰宏(Nakatani Akihiro)
早稲田大学第一文学部演劇科卒業。博報堂でCMプランナーとして活躍ののち、91年に独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス・恋愛・教育・自己啓発など多彩なテーマで執筆活動を行い、多くのベストセラー・ロングセラーを出版。また、「中谷塾」を主宰し、一流のリーダーをめざすビジネスマンに向けて全国でワークショップや講演会を行っている。『なぜあのリーダーに人はついていくのか』(ダイヤモンド社)、『部下をイキイキさせるリーダーの技術』(リベラル社)など著書は1000冊を超える。 【中谷彰宏公式サイト】