PDCA
2017.09.27
PDCAサイクルとは?
PDCA4:PDCAサイクルを営業に活かそう
Action:改善 計画未達成の対策を打つ
進捗確認し、計画が未達成であることが分かりました。このままほうっておくと、計画未達成のまま月末を向かえることとなるでしょう。そして、部門全体にも迷惑がかかってしまいます。今のうちに、改善策を講じる必要があります。
Aさんは、自分の活動を一旦立ち止まって、冷静に分析してみました。何が新規訪問のブレーキとなってしまっているのか。原因を調べてみると、事前の電話アポイントがうまくいっていないため、訪問できていないことがわかりました。
ここで、Aさんは、「電話アポイントを増やす」という打ち手を思いつきましたが、一旦立ち止まって考え、先輩にやり方を相談してみよう! と思ったのです。
先輩からはこんなアドバイスをもらいました。「アポイントは取った方が良いけど、初回訪問は、まずはご挨拶程度にアポイントなくても短時間で訪問してみたら」なるほど、とAさんは思いました。
そこで、アポイントのない状態でも新規訪問することにしました。その結果、新規訪問件数は順調に増えていき、月末には訪問件数の目標はクリアできました。ただし、最終目標である「売上110%アップ」という目標はどうだったのでしょうか。結果を見ると、売上は105%と向上するにはしましたが、目標には到達できませんでした。
その未達成の原因をさらに考えてみました。新規のお客様からの売上は確かにありました。しかし、いずれもまだ商談中や検討中、決済待ちの状態が多かったのです。結論として、Aさんは、来月にはこの新規のお客様をしっかりフォローすることで、目標の「売上110%」を達成できる、という見込みを得ることができました。
AさんがPDCAを回している時のポイントは?
Aさんは、「ようやくPDCAを回すことに慣れてきた」と言います。何が、ポイントだったのでしょう。
月初めに、部門会議で個人目標が言い渡された後、自分の目標をしっかりと計画レベルに落とし込んでいました。また、新規訪問を始め2週間目に、一旦立ち止まり、現在の状況と問題を確認していました。
やはりPDCAを回して行く際には「しっかり立ち止まって考える」ことが大切なのです。
計画を作る際にも、きちんと分解していました。「売上110%アップ」のために「新規の取引先を増やす」か「1社あたりの取引を増やす」かのどちらを目指すのか。新規の訪問件数を増やすためには、「週に何件訪問をすればいいのか」など。
また、予定外の仕事に対しては、緊急度と重要度に分解することで、優先順位をつけて判断し、スケジュール調整をしていました。
Aさんは、「分解して考える」、「順番をつける」こともしっかりと実践していました。
このように、営業マンの活動を1つとってみても、PDCAを意識して、仕事を進めていけば、高い目標、難しい課題に対しても、臆することなく取り組むことができ、着実に目標達成に近づくことができるはずです。
原 佳弘(Hara Yoshihiro)
Brew(株)代表取締役。人材育成プロデューサー/マーケティングコンサルタント、中小企業診断士、中小企業基盤整備機構認定 人材支援アドバイザー。1973年生まれ。横浜市立大学卒業。(旧)建設省所管の市場調査機関にて経営企画を担当後、法人向け研修・コンサルティングを行う会社へ。階層別研修から営業やマーケティングなど専門領域の研修やコンサルティングの設計を10年以上行う。2014年、Brew(株)設立。専門分野を持った300人以上の講師コンサルタントとパートナーを組み、企業課題に応じたマーケティングコンサルティングや人材育成を企画提供している。著書に「研修・セミナー講師が企業・研修会社から選ばれる力(同文館出版)」がある。