PC仕事術
2019.09.04
効率的に、質の高い書類をつくるPC術とは?
PC仕事術3:便利な“コピペ”で、知の共有と上乗せを
“コピペ”を活用すれば
クオリティの高い書類作成が実現
ショートカットキーには多くの種類がありますが、非常に便利であるにもかかわらず、意外と知られていないのが「コピー&ペースト」の方法です。コピー&ペーストは書類作成で頻繁に使う操作なので、ショートカットキーを活用して手順を簡略化することで、作業効率がグンとアップします。
パワーポイントなどで企画書や提案書を作成するとき、見栄えがよく、相手の心をつかむデザインに仕上がるよう、レイアウトにこだわる人も多いでしょう。もちろん、魅力的な書類づくりにはレイアウトも重要ですが、なにより大切なのは内容です。便利なコピペ術を活用すれば、図形やフォントを簡単に調整でき、書類を見栄えよく整える時間を短縮。そのぶん内容の精査や検討に時間をかけられ、見た目も内容も洗練された書類を作成できます。
“コピペ”を駆使して
効率よく「知の共有&上乗せを」
報告書など、作成する機会の多い書類はグループや社内で共有し、定型部分をコピー&ペーストして効率化を図っている人も多いでしょう。そうすることで、フォントや色使いといったデザインの一貫性を保つルール「トーン&マナー」も簡単に揃えられ、統一感があって見やすい書類をつくることができます。少なくとも自分の中で、可能であればグループ内で、書類作成におけるトーン&マナーを決めておくと、デザインの検討に要する時間を減らすことができ、作業がよりスムーズになります。
さらに、コピー&ペーストを活用しつつ、書類の内容を更新したり、新たな資料を追加したりして、よりよいものにブラッシュアップし、その書類をグループや社内で共有することで、「知の共有&上乗せ」が可能となります。こうした「知の共有&上乗せ」を習慣化して継続することで、個人はもちろん、社内全体の成果を上げることができるのです。
“ネーミングルール”で
ファイルもフォルダも検索しやすく
コピペ術を活用した「知の共有&上乗せ」を行う場合に必要となるのが、書類データを共有するための「チーム共有フォルダ」です。しかし、フォルダ内がきちんと整理されていないと、ほしいデータがすぐに見つからず、逆に時間がかかってしまうことも……。共有フォルダ内では、30秒で欲しいデータにアクセスできることが大前提です。
とはいえ、フォルダ体系をわかりやすく整理しきれていない人も多いのではないでしょうか。まずは自分のPCのフォルダ体系を、わかりやすく整理しましょう。
そのために重要なのが、フォルダ名やファイル名のつけかたです。グループや社内で共有している書類データを修正したり、追記したりしてバージョンアップを行う際、ファイル名を「〇〇1」「〇〇2」、あるいは「〇〇途中」「〇〇作業中」「〇〇_20190501」など、その都度、思いつくままに変更し、保存していませんか?
ファイル名のつけかたのルールがあいまいで、そのときどきで違っていると、後から見直したとき、どのファイルが最新で、どのファイルが最終版なのか。さらにはファイルが完成しているのか、作業途中なのかさえ、ひと目で判断できなくなってしまいます。
フォルダも同様に、さまざまなタイトルの付いたものが10も20も並んでいると、目的の書類データを探すのに時間がかかってしまいます。
こうした状況を解消するには、フォルダ名もファイル名もネーミングルールをつくっておくことがポイント。必要な書類を見つけやすくなって作業の効率化が図れるうえ、「知の共有&上乗せ」が習慣化しやすくなるのです。
今回紹介するPC術は、Office2013年以降のバージョンで有効なスキルです。
コピー&ペースト
「図形」「図形の平行移動」「書式」のコピー&ペーストは、以下のショートカットキーで行うことができます。(Office2010でも有効)
空フォルダの活用
自身のフォルダ体系を構築する際、以下のように「空フォルダ」を活用すると整理しやすく、必要なデータが入っているフォルダを見つけやすくなります。
ファイルのタイトルのつけかた
ファイルのタイトルは、以下のように日付を利用したネーミングルールがあると、最新のものを見つけやすくなります。
フォルダのタイトルのつけかた
フォルダのタイトルは、以下のように連番や仮名を利用したネーミングルールがあると、必要なデータを検索しやすくなります。
立花 保昭(Tachibana Yasuaki)
コクヨ株式会社ワークスタイルイノベーション部 ワークスタイルコンサルタント/1級ファイリング・デザイナー/オフィスセキュリティコーディネータ
1990年コクヨ入社。出向した総合商社での大手流通業向け中国製品の開発・輸入・販売、コクヨでの開発営業、及び上海でのカタログ通販ビジネス立ち上げ等の経験を生かし、現在は企業向けの働き方改革の制度・仕組みづくり、意識改革・スキルアップ研修などをサポート。