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仕事に役立つオノマトペ
2020.09.18
プレゼン前は「ゆっくり」+「スーハーー」
オノマトペ4:緊張をほぐす呼吸と発声
プレゼンなどで人前に出るのは、多かれ少なかれ緊張するものです。呼吸と発声でリラックスを呼び込み、ベストパフォーマンスを発揮しましょう。
- リラックスを誘うには
吸う・吐くを1:2で行う - 緊張する場面では、自分でも気づかないうちに呼吸が乱れたり、口の中がカラカラに乾いたり、セカセカと動いたりしがち。これらの生理反応は、自律神経の交感神経(活動するときに働く神経)が優位になっている証拠で、大きな仕事を前に身体が戦闘モードになっていることを表す前向きな反応です。
- しかし、このような状態だとますます緊張を招きやすく、よいパフォーマンスを発揮できなくなることも。こんなときは、副交感神経(リラックスしているときに働く神経)を優位にするのに効果的な呼吸法を試してみてください。「スー ハーー」という音声のイメージで、吸う・吐くを1:2の長さで行うのがポイントです。
- 呼吸の前に心の中で
「ゆっくり」とつぶやく - 呼吸を行うときに注意したいのがスピードです。「早く緊張をほぐさなければ」と焦って「スハスハスハ」と呼吸すると、ますます交感神経が強く働いてしまいます。
- 副交感神経を働かせるには、ゆっくり呼吸を行うのが大前提。呼吸を始める前は、頭の中で「ゆっくり」とひと言つぶやいて心の準備を整えましょう。ちなみに「ゆっくり」という副詞もオノマトペです。それから静かに、「スー ハーー」「スー ハーー」というオノマトペをイメージしながら呼吸を行います。
- このアクションを数回行えば、副交感神経がほどよく働いて心のコンディションが安定してくるはずです。
藤野良孝
FUJINO YOSHITAKA
朝日大学保健医療学部教授、早稲田大学オープンカレッジ講師。国立大学法人総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程修了後、文部科学省所管独立行政法人メディア教育開発センター研究開発部助教などを経て現職。スポーツやビジネス、日常生活で使われるオノマトペの効果について多角的に研究し、テレビやラジオ、講演などを通じて普及に努めている。著書に『運動能力がアップする「声の魔法」』①~③巻(くもん出版)、『脳と体の動きが一変する秘密の「かけ声」』(青春出版社)など多数。
文/横堀夏代 撮影/ヤマグチイッキ イラスト/岩並明里