仕事のプロ

2021.01.14

ポストコロナ時代のイノベーションとは?〈前編〉

市場が激変した今は新規事業開発のチャンス

新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけに消費者の行動や志向が急変し、多くの企業が苦戦を強いられている。「ポストコロナ時代に企業が成長し続けるには、今までとは違った発想が必要」と語るのは、コクヨ株式会社ワークスタイルイノベーション部で働き方改革プロジェクトアドバイザーを務める坂本崇博氏だ。前編では、なぜ、ポストコロナ時代の今、イノベーションが必要なのか、その理由をお聞きした。

イノベーションに本気で挑むなら
資金や人材など環境整備が重要

ビジネスの市場が一気に変わったからには、企業はイノベーションを起こすべく、資金や人材、時間などを投入することになります。

大企業の多くはこれまで、既存のお客さまの満足向上を最重要事項とし、今ある商品やサービスを改良することに注力してきました。また、新規事業が本業を侵食するのはよくないという慣習もあり、新規事業にかけるコストが抑えられたり、新規事業の担当者への風当たりが強いなど、イノベーションを生み出す環境が整っていませんでした。

しかしポストコロナの時代には、多くの企業で、生き残りをかけて資金や人材を投入してくると考えています。

今年5月末にコクヨで行った大企業の経営者に向けた調査でも、コロナの影響で業績が悪化する企業が多いなか、『ポストコロナに向けて経営者が重視するキーワード』では5割弱の経営者が『新規事業開発・イノベーション』を挙げています。

このことからも、イノベーションに対する企業の本気が見えてきます。ポストコロナ時代に、新しい生活様式を支えるような破壊的イノベーションが起こせるかもしれない。この状況を私自身もチャンスと考えて、ワクワクしています。

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ビジネス市場がコロナ禍によって一変し、今後は多くの企業でイノベーション創出に本気で挑んでくると考えられます。それはすなわち、今、新しいことにチャレンジしなければ、ポストコロナの時代に生き残っていけない、とも言えるのです。

変わらざるを得ないこの機を絶好のチャンスととらえ、新しい生活様式を支える「新しいモノ・コトを創り」への挑戦が企業継続のカギになるのです。


坂本 崇博(Sakamoto Takahiro)

コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部/ワークスタイルイノベーション部/ワークスタイルコンサルタント/働き方改革PJアドバイザー/一般健康管理指導員
2001年コクヨ入社。資料作成や文書管理、アウトソーシング、会議改革など数々の働き方改革ソリューションの立ち上げ、事業化に参画。残業削減、ダイバーシティ、イノベーション、健康経営といったテーマで、企業や自治体を対象に働き方改革の制度・仕組みづくり、意識改革・スキルアップ研修などをサポートするコンサルタント。

文/横堀夏代