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働き方用語辞典 「フィルターバブル」

公開日:2024.8. 9

執筆:コクヨコラム編集部

#DX #トレンド #マーケティング #働き方用語辞典

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働き方用語辞典 「フィルターバブル」

フィルターバブル

検索サイトやSNSなどにおいて、各人の嗜好や興味、閲覧行動をもとに 最適化された表示がされることで、似たような情報や視点に囲まれてしまう状態

「フィルターバブル」とは、SNSや検索ツールなどにおいて、ユーザーの検索やクリック履歴をもとに、各ユーザーに最適化されたコンテンツが優先的に表示されることで、自分の見たい情報しか見えなくなってしまう現象です。
価値観や考え方に合わない情報は遮断されてしまうことから、「フィルターがかかった情報の泡(バブル)に閉じ込められたような状態」と表現されます。

フィルターバブルは、2011年にインターネット活動家でありアップワージー社のCEOイーライ・パリサーが、著書の中で提唱した概念です。近年、フィルターバブルによって情報が偏ることで、多様な価値観や批判的な思考が失われることが危惧されています。

検索やSNSなどは、ユーザーの利便性を高めるため、「トラッキング」や「パーソナライゼーション」、「フィルタリング」などの機能があります。これによって、それぞれユーザーの画面には各自の嗜好に近い情報が表示されます。使いやすさにおいてはメリットとなる機能も、異なる意見や視点を持つ情報に触れる機会が減ってしまうという、デメリットも持ち合わせています。

■フィルターバブルの問題点
-情報の偏り
・類似情報やコンテンツが表示され、新しい情報に触れる機会が減る
・自身の価値観にあった情報が多く表示されるため、それらが世の中の動き・正しいことであると認識してしまう
アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)が強まったり、異なる意見を受け入れにくくしてしまう

-情報が最適化されていることにユーザーが気づかない
・検索結果やSNSなどでアルゴリズムによる恣意的な表示がされていても、表示の仕組みが明かされていないことも多く、情報の偏りがあることをユーザーは客観的に判断できない

-情報漏えい
・より個人の嗜好に近い表示を行うためにユーザーの行動履歴を収集しているが、これらの個人情報が第三者に取り扱われるリスクがある

■フィルターバブルのメリット
-マーケティングへの活用
・ユーザーの興味やパターンにあわせて効率よく広告やコンテンツを表示することで、顧客獲得や購入につながり売上向上が期待できる

フィルターバブルの対策として、閲覧記録やログイン時のデータを残さない「プライベートブラウズ」機能の活用やアルゴリズムの解除など、行動履歴の追跡を制限する方法が挙げられます。また、インターネット以外のツールから情報収集するなどし、幅広い視野を持つようにすることが大切です。

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