HOME > オフィスづくりに役立つコラム > 働き方用語辞典 「ガスライティング」
公開日:2024.12. 6
執筆:コクヨコラム編集部
「ガスライティング」とは、意図的に誤った情報を与えたり、嫌がらせを継続して相手を心理的にコントロールすることで、相手が自身の記憶や認識を疑うように仕向ける心理的虐待の一種です。「自分が間違っている、私が悪い」と思い込ませ、支配を強めていく行為です。
2018年にイギリスで流行語となり欧米で広まり、日本でも少しずつ浸透しています。
ガスライティングの語源は、夫が妻の正気を失わせるために、精神的に追い詰めていく様子を描いたイギリスの演劇(1938年)・映画(1944年)『Gaslight(ガス燈)』に由来します。
ガスライティングは、上下のある人間関係において、力の不均衡を利用し起こることが多いのが特徴です。夫婦・恋人や友人などの近い人間関係だけでなく、上司と部下、先輩と後輩などの会社や学校などでも起こり得ます。
時間をかけて巧妙な手口で行う傾向かあり、特に信頼している関係においては、ガスライティングをされている本人も気づきにくく、周りの第三者も発見しにくい場合があります。
―目的
・支配・服従させ、優位に立つ
恋人や夫婦、上司と部下、友人同士などで、自身が優位に立つために服従させたり支配下に置く
・集団から追放・孤立させる
職場や学校、サークルなどの集団から追い出したり、孤立させ、最終的に人物やチームの破滅を狙う
―手段
・情報を与えない、嘘をつく
・矛盾した言動をとる
・問題を矮小化、責任転嫁する
・嫌がらせを繰り返す、私物を隠す、音や臭いで不快感を与える
会話や日々のやりとりのなかで、悪意ある表現を繰り返すことで相手を精神的に追い詰め、正常な判断力を奪って行きます。
-虚偽の情報
・あなたにはいい噂がない
・皆あなたを迷惑だと思っている
-混乱
・あなたはまだ経験が少ないからできない/わかっていない/知らなくてもいい
・全て君のことを思って言っている言葉なのに
-非難と攻撃
・あなたが無駄に細かすぎ/気にしすぎだ。誰もそんなこと気にしない
・私じゃなかったら誰が相手をしてくれるのか?
-矛盾した言動
・あなたの意見は正しいが、重要ではない
・忙しいのはわかるけど、この程度もやってくれないのか?
-責任転嫁
・私がいつそんなことを言った?あなたの勘違いでしょう?
・私はこういう人だから、あなたが理解してくれないと
・立場を利用し、悪い噂を流す
・日程や重要事項などの情報を意図的に共有しない
・非難する言動を取る
・パスワードやパソコンの設定を勝手に変更する
・データを削除したり入れ替える
・物の配置を変えたり、隠す
ガスライティングは1対1の会話で行われることも多く、周囲から気づかれにくいこともありますが、職場のいじめ行為やモラルハラスメントとして問題視されています。
社内でガスライティングの被害を受けていると気づいたら、一人で思い悩まず、相談窓口や物事を客観的に捉える信頼できる人に相談するようにしましょう。その際、証拠となるものがあると役に立ちます。
また、思いこまされて本人が気づかないケースもあります。同僚がガスライティングの被害に遭っていると気づいたら、いち早く解決できるよう、手を差し伸べてあげることが大切です。
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