HOME > オフィスづくりに役立つコラム > 働き方用語辞典 「インシビリティ」
「インシビリティ(incivility)」とは、相手を傷つけようとする意思は明確ではないものの、他人への思いやりや配慮のない不親切で無作法な言動を指します。
インシビリティは、悪意を持たず無意識のうちに行うことが特徴であり、無視する振る舞いや冷たい対応、皮肉なコメントなどにより、周りに負担や不快感を与えてしまいます。
インシビリティにあたる言動は、ハラスメントのように表面化されず問題視されにくいため見落としがちです。しかし、放置しておくと職場の雰囲気がギスギスし会社に悪影響を及ぼすことから、職場環境やコンプライアンスの改善の一環として近年注目されています。
■インシビリティの具体例
インシビリティは、忙しく余裕がない時や不安な時、疲れている時、相手や周囲に対し優越感を持っている時、自分が正しいと感じている時などに出やすいと言われています。不機嫌ハラスメントとも共通する項目も含まれます。
―冷たい対応
・無視したり、無愛想な行動を取る
・相手の目を見ず会話する
・特定の人だけ、さんを付けずに呼び捨てしたり、おまえと呼ぶ
・嫌悪感に満ちた表情で見る
・相手の意見に関心を示さない、相手の判断を信用しない
・特定の人だけ会話から排除する
・からかう
―やらない行為(不作為)
・返答しない、返事や返信が遅い
・情報を共有しない、非協力的な態度を見せる
・ミスを放置する
・必要な指導やサポートをしない、成果を褒めない
■インシビリティが与える影響
―個人
・ストレスによりモチベーションが下がる
・働きづらくなりプロジェクトを離脱したり、異動、退職する
・さらに別の人に対してインシビリティをする傾向がある
―組織
・生産性が低下する
・人間関係や職場環境が悪くなる
・会社へのワークエンゲージメントが低下する
インシビリティをする本人は無意識だったり、行為は些細なことがほとんどですが、相手にとっては精神的苦痛を受けることに変わりありません。意図的にネガティブな言動をするガスライティングや不機嫌ハラスメントなどと同様に、インシビリティもハラスメントや大きな問題に発展する可能性があります。
誰もが無意識に行っている可能性があるため、無礼な行動は取っていないか、相手を傷つけていないかなど、一度自身の行動を見直し向き合ってみましょう。また、日頃から他人に対して思いやる気持ちを意識しながら、癖や価値観を振り返り、行動を改める必要があります。
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