HOME > オフィスづくりに役立つコラム > 【潜入! コクヨショールーム】 第2回:「行きたくなるオフィス」をつくる、4つのアイデアを体験!
2023.12.13[ 家具 ]
未来のワークプレイスと働き方を提案するコクヨ。法人向けショールームが2023年11月にリニューアルしました! ということで、働き方に関する取材や、あらゆる業界で働く方へのインタビューを数多く担当し、働き方に興味があるライターの菱山恵巳子が潜入! 全6回の連載を通して、これからのオフィスづくりについて考えます。
第1回では、コクヨが提案するオフィスづくりのコンセプト「いっしょにつくろう。」を実現させる4つのアイデアを紹介しました。おさらいすると「スペースをつくろう」「アイテムをつくろう」「プロセスをつくろう」「サイクルをつくろう」です。
とは言え、具体的にどうすればいいの? に、答えるような提案がコクヨのショールームにはつまっているんです! 今回は、それぞれのアイデアの具体案を体験しながら詳しく紹介していきます!
まずは第1回でもチラッと紹介した「スペースをつくろう」のブースから。Any way(エニーウェイ)シリーズのオフィス家具が展示されています。
このスペースは「プロジェクト」のためのスペースをイメージしているそう。たしかに最近は部署単位ではなく、プロジェクトベースの働き方が増えていますよね。
そのプロジェクトも期間が数週間〜1年だったり、最初は2〜3人から始まったものが徐々に7人、8人と増えたり。しかも社外の方が参画することもあるので、クリエイティブなプロジェクトのチームビルディングには、心理的安全性が得られることが大事なんです!
ということで、プロジェクトの状況に応じて空間をカスタマイズできて、チームの風土を醸成できるようなスペースがこれからのオフィスには求められています。
中央には、プロジェクトチームでのリモート会議中という設定のスペースが。置かれているテーブル、チェアー、ラックには全てキャスターが付いています。だからこそ集まった人や目的にあわせて、 アジャイルに場をつくることができるんです。
ラックとテーブル、チェアを動かせば、こんな風に自分だけのワークスペースもつくることができます。例えば、フリーアドレス制度を導入している企業でも、プロジェクトルームとしてチーム専用スペースや、固定席運用の実施が必要な場合もありますよね。
そんな時、自由に動かせるラックでの区切りならば、空間のカスタマイズも自由自在! しかも閉塞感もないですし、ラックに自分たちのお気に入りの小物や植物を置けたら、仕事のモチベーションにも関わりそう!
家具は、こんな風に女性でも一人で簡単に動かすことができました。これならプロジェクトの人数や期間によって気軽にスペースを変えられそうです!
ラックも動かして、コクヨの廣津さんと2人で自分たちのスペースを即席で作ってみましたよ!
デスク、チェア、ラック以外にもスツールやワゴンを動かし、ちょっとした打合せスペースの完成です! オフィス家具はなかなか動かせないもの...という概念が変わります。打合せの会話にもう1人加わりたい時も、スツールをさっと持って来ればすぐに集まれる。わざわざ人数に合わせた会議室を予約して...ということもなくなりそう。
そして、展示スペース奥のボードにも注目。色付きのパーツはオフィス家具を模したマグネットになっており、自由に動かすことが可能。どんなスペースをつくるかを俯瞰できるようになっているんです。
私だったら、ここにラックで区切りをしてプロジェクトスペースをつくろうかな...など、マグネットを使い、楽しく試行錯誤ができます!
ちなみに、こちらはショールーム内の別の展示コーナー。Any wayシリーズを組み合わせるとこんなスペースもつくれるんです。プロジェクトで集まって作業するのにほどよい距離感。デスクの形も台形で色味がポップながら落ち着いているのも、スタイリッシュで良いですよね。
続いては「アイテムをつくろう」を体験します。こちらの展示スペースでは、オフィスに必要な家具や小物を自分たちの手でつくったり、既製品をカスタマイズできたりするサービスを紹介しています。自分たちの働き方に合ったオリジナルアイテムづくりがハードル低く実現できるとのこと!
そうやってワーカー自身が「本当に必要なものは何か」考え、空間づくりのプロセスにも参加することで、オフィスへの愛着や、メンバーの一体感も生まれますよね。
こちらは、3DCADで設計したデータから家具を製作できるデジタル木材加工機「ShopBot」を使用してつくられたスツールです。「ShopBot」は、2022年にVUILD社とコクヨの協業でオープンしたスタジオ「(0,0,0)studio genten(スタジオゲンテン)」に導入されています。
設計書さえあればすぐに家具が完成するので、通常のオーダーメイド家具よりも自由な発想を活かしやすく、はるかに短時間での製作が可能。自分たちでアイテムの設計から関わり、理想の家具がつくれるのは驚きです。
ただ、ゼロから自分たちで家具をつくることにハードルを感じないとも言えません...。そこで、コクヨでは既製品の部品を利用した家具も展開しています。
例えばこちらの長机は、スツールの足を利用し、天板のみカスタムしたもの。ベースが決まっているので、あとはオフィスに必要な形に合わせるだけ。デザインの知識があまりなくても、既製品のパーツや考え方をベースにできたら自分たちの理想を実現しやすいですよね!
こちらもコクヨが販売しているカフェテーブルのFrankaシリーズの脚に、天板のみオーダーした家具。会議室に置くのか、カフェテリアに置くのか...、天板次第で使い方が無限大に広がります。
カスタマイズできるキャビネットもありました。カギを付けるか、扉をプラップタイプにするかなど、使うシーンや人によって組み合わせることができます。
既製品だと、「デザインは良いけど、あの機能があれば」「あと数cmサイズが変えられれば」といったちょっとした「惜しいポイント」が発生しがち。でもカスタマイズできれば、そういったプチ不満も解決できるし、つくるハードルも下がる。より多くのワーカーの意見もとりいれられそう。まさにかゆいところに手が届いて、働きやすさにもつながります。それに自分たちで考えた家具があれば、ますますオフィスに行きたくなり、出社に積極的なワーカーが多い職場風土も生まれそうです!
さて、ここまでスペース&アイテムを自分たちでつくるためのコクヨの製品を見てきました。...とは言うものの、そもそもワーカー同士で「ワークスペースに何が必要か」の共通認識ができていないことには、オフィスづくりは始まりませんよね。
そんな悩みを解消するのが、「プロセスをつくろう」です!
ここの展示スペースでは、コクヨが今後重要になってくるであろうワーカーの行動様式を「7つのアクティビティ」で分けています。①特殊・専門ワーク、②社外関係構築、③高機密性ワーク、④オペレーションワーク、⑤チームビルディング、⑥チームシンキング、⑦高集中ワークです。
特に、④~⑦は多くの企業で日常的に行なわれているアクティビティ。「プロセスをつくろう」は、それらのアクティビティを空間に落とし込むことで、自分たちらしいワークスペースをつくる、という考え方です。
具体的なイメージも展示されていました。上のバーの色が、アクティビティの色になっており、その長さがスペースのイラストとリンクしています。
こちらのイラストの場合、人の気配を感じながら個人の仕事を進めるオペレーションワークと、メンバーとの一体感を高めるチームビルディングのバーが長くなっています。たしかに、半個室や仕切りで目隠しがされたデスク配置や、ミーティングがしやすいデスク配置が多くされていますよね。
このように、自分たちの働き方を7つの行動に整理し、スペースに落とし込むという考え方があれば、ワーカー同士での「オフィスに必要な要素」の共通認識が容易になりそう。オフィスづくりのための議論も活性化しそうです!
そして、7つのアクティビティごとにワークシーンをモジュール化し、そのモジュール単位でレイアウトを考えることで、オフィスの可変性も高めます。「今はチームシンキングのスペースがもっとほしい」と感じたら、家具配置を変えることでスペースを作り変える。このように、つくって終わりのオフィスではなく、行動の変化により自由にスペースを動かし、PDCAを回すことが「サイクルをつくろう」ということなのです!
たしかに、これまで紹介したコクヨのオフィス家具やサービスを使えば、簡単にオフィスのかたちを変えられ、働き方の変化に合わせてより良いオフィスにアップデートできそう!
コロナ禍を経て働き方とオフィスのあり方が大きく変わりましたが、不確実性の時代、今後またどのように社会が変わっていくかは誰にもわかりません。だからこそ、オフィスもワーカー同士でいっしょにつくり、そして状況に合わせて進化させる必要があります。
そうやってワーカーがプロセスからオフィスづくりに参加することで、本当に「行きたくなるオフィス」が完成しそうですよね。コクヨのショールームには、そんなこれからのオフィスの理想を叶える具体例が盛りだくさんでした!
次回は行きたくなるオフィスの仕掛けとして注目されている「オフィスラウンジ」について詳しく紹介します。お楽しみに!
ライター/コラムニスト
菱山 恵巳子
新卒で広告関係の会社に就職。ライターとして独立後、企業インタビューやビジネスコラムを中心に執筆。双子の小学生を育てながら働いており、「多様な働き方」は長年考えているテーマ。
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