コーチング

2016.09.28

コーチングは、信頼関係の上に成り立っている

コーチング2:部下を知り、観察し、自ら関わるのがコツ

「上司から部下へ、タイミングよく」が
コミュニケーションの鉄則

よく「何かあったら、いつでも声をかけて」という上司を見かけます。しかし、上司と部下のコミュニケーションは、「上から下」が鉄則。自分から積極的に、タイミングよく、部下にかかわっていきましょう。

部下が複数いると、頻繁に声をかける人と、ほとんど声をかけない人が出てくるはず。声をかけられない人は「自分は無視されている」と思い、どんどん距離が離れていく一方...。上司たる者、チェックリストを作るなどして、すべての部下に声をかけるよう心がけてください。

また、話しかけやすい雰囲気をつくることも必要です。ある企業では「相談タイム」を設け、部下が相談しやすい工夫をしています。このように目に見える仕組みで、部下とのコミュニケーションを補強することもおすすめです。

とはいえ、上司も人間である以上、ウマが合う部下と合わない部下がいるでしょう。それは仕方のないことと割り切り、「自分は上司として、すべての部下を愛する」と腹をくくることが、信頼関係を築く第一歩。部下は、自分を理解してくれる上司についていこうと思います。部下を理解し、信頼を得ることで、コーチングが効果的に進められるのです。

岩本 好之(Iwamoto Yoshiyuki)

大学卒業後、国内金融機関で営業、営業企画、IT、人事など幅広い領域で実務とマネジメントを経験。米国ゼネラル・エレクトリック(GE)社で、数多くのシックスシグマ手法による問題解決プロジェクトの推進、成果実現、および人材育成に携わる。大手金融機関にスカウトされ、教育部門の責任者として全社的な経営品質改善活動の推進、経営戦略から見た教育ニーズの整理、および各種研修の企画立案、実施等に従事する。現在は、企業研修、セミナー講師として活躍。NLPマスタープラクティショナー、基礎心理カウンセラーの資格を有し、コーチング・カウンセリングにも取り組む。

イラスト/海老佐和子