コーチング
2016.10.13
部下と歩調を合わせることが、コーチングの基本
コーチング3:上司の話し方や表情が、部下の成長を左右する
まずは相手のペースに合わせ
信頼関係を築いてからリードする
部下を指導するとき、自分のペースで話を進めていませんか?
コーチングに限らず、誰かとコミュニケーションを図るときには、次の3つのステップが基本となります。
① ペーシング(相手の話すペースに合わせる)
② ラ・ポール(信頼関係を築く)
③ リーディング(自分のペースで相手をリードする)
管理職の多くは①と②を飛ばして、いきなり③を行いがち。しかし、人は命令されると、拒否するという心理が働きます。長期間に渡る指導でも、日常の会話でも、部下と接するときには、この3つのスキルが必須なのです。
では、相手の話すペースに合わせるには、どうしたらいいのでしょう。
そのためには、次の「3K」を相手と合わせることが重要となります。
① 感情:喜怒哀楽といった感情のレベル、雰囲気、テンションなど
② 言葉:言葉遣いや表現、呼吸、スピード、リズム、高低、口癖、抑揚など
③ 体:表情、態度、姿勢、ジェスチャーなど
「3K」が合うと、心理学でいう「類似性の法則=似ているものに愛着や安心感をもつ法則」が働き、相手からの信頼を得やすくなります。
とはいえ、部下の中には表情が乏しかったり、なかなか話してくれなかったり、合わせるポイントが見つかりにくい人もいるでしょう。でも、これは相手から信頼されていない証拠。相手が黙ったら、こちらも黙るなどテンションを合わせつつ、「ちゃんと見ているよ」というサインを送り、氷を溶かすように、少しずつ相手の心をやわらげていきましょう。
信頼は貯金のようなもの。時間をかけ、小さな努力をコツコツと積み重ねることでたまっていきます。ただ、恐ろしいことに、信頼はちょっとしたきっかけで一瞬にしてなくなります。人の上に立つ者ほど、自分の言動や立ち居振る舞いに注意が必要です。
岩本 好之(Iwamoto Yoshiyuki)
大学卒業後、国内金融機関で営業、営業企画、IT、人事など幅広い領域で実務とマネジメントを経験。米国ゼネラル・エレクトリック(GE)社で、数多くのシックスシグマ手法による問題解決プロジェクトの推進、成果実現、および人材育成に携わる。大手金融機関にスカウトされ、教育部門の責任者として全社的な経営品質改善活動の推進、経営戦略から見た教育ニーズの整理、および各種研修の企画立案、実施等に従事する。現在は、企業研修、セミナー講師として活躍。NLPマスタープラクティショナー、基礎心理カウンセラーの資格を有し、コーチング・カウンセリングにも取り組む。