コーチング

2016.11.11

部下の話を「傾聴」することが、コーチングの第一歩

コーチング4:部下と話をするときは、アドバイスも説教も不要

自慢話や説教、勝手な分析
誰もが陥る誤った6つの聴き方

コーチングに必要な基本スキルは、①傾聴、②質問、③承認、④フィードバックの4つ。まずは、コーチングのスタート地点といえる「傾聴」について見ていきましょう。

医者が問診をしないと薬を出せないように、上司も部下の話を聴かないと指導できません。ところが、自分では部下の話を聴いているつもりでも、実は正しく聴けていない......という上司がほとんど。次の6つの誤った聴き方に、心当たりがある人も多いのではないでしょうか。

【理屈で聴きすぎる】
矢継ぎ早に根掘り葉掘り聴く
勝手に分析する

【自説で判断する】
自分の経験談を話し出す
批判、説教を始める

【本気で聴こうとしない】
過剰に同意、同情する
⑥ 話をはぐらかす

こうした状況に陥るのは、正しい聴き方を学んだことがないから。ビジネスセミナーも話し方を学ぶものばかりで、聴き方を学ぶものはほとんどありません。
部下の話を聴くときは、アドバイスも説教も不要。上司は部下を映す鏡となり、ただ、ひたすら話を聴くことが重要です。部下は鏡に映った自分を見て、自ら問題に気づく能力をもっています。反対に、聴き方を誤ると、部下の気づきや学びの機会を奪ってしまいます。



岩本 好之(Iwamoto Yoshiyuki)

大学卒業後、国内金融機関で営業、営業企画、IT、人事など幅広い領域で実務とマネジメントを経験。米国ゼネラル・エレクトリック(GE)社で、数多くのシックスシグマ手法による問題解決プロジェクトの推進、成果実現、および人材育成に携わる。大手金融機関にスカウトされ、教育部門の責任者として全社的な経営品質改善活動の推進、経営戦略から見た教育ニーズの整理、および各種研修の企画立案、実施等に従事する。現在は、企業研修、セミナー講師として活躍。NLPマスタープラクティショナー、基礎心理カウンセラーの資格を有し、コーチング・カウンセリングにも取り組む。

イラスト/海老佐和子