リサーチ

2017.03.24

女性管理職が抱えるストレスの中身とは?

女性管理職のストレスの要因は男性管理職とは大違い!

男性管理職と女性管理職では圧倒的に女性管理職の方がストレスは高いという。女性管理職のストレス源は男性管理職と異なり、組織体制・風土に関する要因が良好でないと感じることが、高ストレスを引き起こすようだ。

国際EAP研究センターがストレスチェック調査を行った団体から、約5000名の管理職を抽出して分析した調査によれば、管理職におけるストレス度を男女別で比較すると、男性管理職に比べて女性管理職のストレス度が2.5倍程度も高いという結果が出た。
 
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管理職におけるストレス度と関連の強いストレス要因を抽出した結果、「ワークセルフバランス・ポジティブ(=仕事でエネルギーをもらって自分の生活をさらに充実させることが出来ること)」は男性管理職が2位、女性管理職で1位と双方に重視されているが、その他では男女でストレス要因が異なるという結果が出た。
 
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男性管理職では「仕事のコントロール」、「情緒的負担(=仕事の上で感情面の負担が大きいこと)」、「役割葛藤(=複数の人からお互いに矛盾したことを要求される負担が大きいこと)」といった主に仕事上の事柄に関連する要因が上位になる。一方、女性管理職では「キャリア形成」、「個人の尊重」、「公正な人事評価」といった組織体制・風土に関連する要因が上位にあがった。これらのストレス要因を負担に感じている女性管理職のストレス度は、そうでない女性管理職と比較して約2倍であった。
 
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ここからいえるのは、男女でのストレス要因の違いを理解しなければ、せっかく女性管理職を登用しても、先々思わぬ壁にぶつかるか可能性があるということだ。
男性管理職に適用できたマネジメントが、女性管理職には思いがけないストレスになってしまう場合がある。女性のキャリアや人事評価をないがしろにして仕事ばかりを増やしては、管理職の地位を望む女性もいなくなってしまうかもしれない。女性が「ここでなら公正な評価をもらえてキャリアが築ける」と思えるような環境を整えることが重要だ。
 
男女で異なるストレスケアへのアプローチが、今後女性が活躍できる企業として成長できるかどうかの分かれ目になっていくだろう。
 
 
(出典)ピースマインド・イープ株式会社「【調査結果】 女性管理職のストレス源は仕事・人間関係よりも会社の支援・理解不足?~約5,000名の管理職を対象としたストレスチェック結果のデータ分析より~」をもとに作成
 
作成/MANA-Biz編集部