リサーチ

2017.07.05

期待される「BGMの流れるオフィス」

概ね好評ながらも立ちはだかる「選曲」問題

より良い働き方を実現するためには、オフィス環境の改善も欠かせない。その一環として、近年、オフィスでBGMを流す企業も増えているが、どの程度期待され、また実際にそのような環境に置かれている社員は効果を感じているのだろうか。

株式会社USENが、全国の20歳~59歳の働く男女に対して「オフィス環境に関する意識調査」を行ったところ、過半数の人が現状のオフィス環境に満足していないことがわかった。
 
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そして現状のオフィス環境を改善するために実施してほしいことを聞くと、「休憩室の設置」が43%と最も多く、次いで「音楽を流す」が24%と高い数値を示した。どうやらオフィス環境の改善策として、音楽には大きな期待が寄せられているようだ。
 
 
 
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また、新放送サービス「i-dio」(アイディオ)で高音質デジタル放送を提供している東京マルチメディア放送株式会社が、実際に音楽が恒久的に流れている職場で働く20 代〜 50 代の男女を対象に調査を行ったところ、オフィスで音楽が流れることは、すべての世代において8割以上の人が肯定的に捉えていることがわかった。
 
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特に、仕事中に好きな音楽が聴けることについては、「仕事に良い影響がある」と8割以上が回答し、具体的には「気分転換できる」「集中できる」「やる気が出る」という意見が多かった。この結果は、イヤホンを通して個人的に聴いているケースも含まれるものの、音楽が仕事に与える影響がポジティブに捉えられているのは確かなようだ。実際のところ、「話しかけづらい」「電話の音が聞こえない」などの問題もあるため、一般的なオフィスでは、BGMとしてスピーカーから流す場合が多いだろう。
 
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確かに、あまりに静かすぎる環境は息が詰まるし、かえって会話もしづらい。電話や会議に支障のないボリュームでBGMとしてオフィスに音楽が流れていることで、そういった点も改善できるし、曲によっては、落ち着きや高揚感など与えるといった、メンタル面での好影響もあるかもしれない。
 
一方で、そのようにオフィスで流れる音楽に対する“不満”はないのだろうか。先の東京マルチメディア放送による調査によると、「選曲がいつも同じで飽きる」50%、「好きなジャンルの楽曲がかからない」40.4%という、選曲面における不満が大多数を占めた。マンネリ化しないようできるだけ変化を求めたいものの、誰がどのような基準で選曲するかがネックにもなる。このような課題に対しては、有線放送をはじめ既存の放送サービス、インターネットラジオなどの活用などが対策になるのかもしれない。
 
 
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オフィスにおいて音楽を流すことは、スピーカーの設置などは必要だが、大がかりな工事や莫大なコストはかからない。オフィス環境改善の取り組みとして、検討してみる価値はあるかもしれない。
 
 
(出典)「オフィス環境に関する調査」(株式会社USEN)、新放送サービス i-dio「仕事についてのアンケート」(東京マルチメディア放送株式会社)をもとに作成
 
作成/MANA-Biz編集部