プレゼンテーション
2017.11.01
聞き取りやすい、ゆったりとした話し方をするために
プレゼンテーション10:早口にならないためのトレーニング方法
5秒でどのくらい話せるかを理解する
話し方について多くの人が陥りがちなことがあります。それは「早口になってしまう」ということ。早口にならずに、自分の伝えたいことを時間内に言い終えるにはどうすればよいのでしょうか。
今日は、そのためのトレーニング方法を2つ紹介したいと思います。
①「ストップウォッチで5秒間感覚を身につける」
早口になってしまう原因のひとつに、「用意したシナリオを時間内に言い終えなければ!」という意識があると思います。このプレッシャーを解消するには、まず、「自分は5秒でどのくらい話せるのか」をあらかじめ体感しておくことがおすすめです。
スマホのストップウォッチ機能などを使い、時間を計りながら、文章を1つ読んでみます。
「それでは、いまからこちらのスマートフォンについてご紹介します」(これでだいたい5秒)
こうやってイロイロな文章をストップウォッチを片手に話してみると、時間の感覚がつかめます。
一般的には1分間で話す文字数は300~400文字程度と言われたりしますが、これは人によってバラツキがあります。スピーディーに話してもわかりやすく話せる人もいれば、ゆっくりと話すほうが合っている人もいるでしょう。
ただ、自分の話すペースを知っておくと、用意したシナリオと持ち時間のバランスがとりやすく、焦らず話すことができるようになるはずです。
②プロの話し方のペースをマネする
「シャドーイング」
シャドーイングとは英会話の勉強法のひとつで、英語の音声を聴きながら少し遅れて影のようにあとをついて、その音声をマネながら声を出すという練習方法です。
この方法は、実はプレゼンの練習においても有効です。まず、自分が話し方をマネしてみたいと思う著名人を選びます。そして、テレビやネット動画を見ながら、その人の話し方をあとについてマネてみるのです。このとき意識してほしいのが、「間のとり方」と「抑揚」です。
例えば、テレビで活躍する池上彰さんや林修さんなどの話し方をマネてみると、「意外にしっかりと長い間をとっているんだな」ということに気づきます。2人は決してゆっくり話しているわけではない。しっかり間をとっているからこそ、話が頭に入ってきやすいのです。
また、抑揚もかなりつけて話しています。実際にやってみると、「こんなにオーバーに話しているのか!?」と驚くかもしれません。ところが、聴き手にとっては違和感がなく、それくらいで丁度いいのです。
実際のプレゼンでも、多少オーバーアクションかなと思うくらいがベストです。むしろ抑揚のない話し方の方が、話がつまらないという印象を与えてしまいマイナスです。
シャドーイングは、プロの話し方を手軽にマネできるよい方法です。ぜひ試してみてください。
下地 寛也(Shimoji Kanya)
コクヨ㈱入社後、行動と環境(創造性、コミュニケーション、場のあり方等)に関する研究・分析を担当。2003年より、クライアントの企業変革のコンサルティングや研修コンテンツ企画を担当する。著書『コクヨの3ステップ会議術』(中経出版)、『コクヨの1分間プレゼンテーション』(中経出版)、『コクヨの5ステップ ロジカルシンキング』(中経出版)、『コクヨの「3秒で選び、2秒で決める」思考術』(中経出版)、『コクヨのコミュニケーション仕事術』(総合法令出版)