仕事に役立つオノマトペ

2022.01.17

声を合わせて「バーン!」で団結する

オノマトペ10:チームの結束を高めたいとき

例えば新規プロジェクト立ち上げのとき、早い段階でチームが一つにまとまれば成果が変わってきます。オノマトペを使った力強いアクションで、メンバーの結束を高めましょう。

力強さと勢いのある音で 
同じ感覚を共有する
プロジェクトのキックオフの場などで試したいのが、メンバーみんなで声を合わせ、「バーン!」というオノマトペを口にすることです。濁音からはじまる「バ」の音は、ほとんどの人が力強さや勢いを感じます。ですから一緒に口にすることによって、メンバーの中に勇気や元気が生まれ、チームの結束が高まるのです。
「ちょっとわざとらしいかな」と思うかもしれませんが、一斉に声を出すことは団結のきっかけになります。
元気の出るアクションをプラスして
さらに結束効果を高める
このオノマトペを試すとき、さらに結束力を高めるのに効果的なのが、元気のわくアクションをセットで行うことです。オススメは、片方の手のひらを広げて、天に向かって突き上げながら「バーン!」と言うことです。みんなで同じアクションをするため、聴覚だけでなく視覚からも一体感を感じることになるわけです。
ちなみにこのオノマトペは、東北楽天ゴールデンイーグルスに所属する松井稼頭央選手が、右手でハイタッチをするような動作をしながらよく口にしています。今ではほかの選手やファンにも広まっており、メンバー同士やファンの間に結束を生むのに一役買っているようです。

藤野良孝
FUJINO YOSHITAKA

朝日大学保健医療学部教授、早稲田大学オープンカレッジ講師。国立大学法人総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程修了後、文部科学省所管独立行政法人メディア教育開発センター研究開発部助教などを経て現職。スポーツやビジネス、日常生活で使われるオノマトペの効果について多角的に研究し、テレビやラジオ、講演などを通じて普及に努めている。著書に『運動能力がアップする「声の魔法」』①~③巻(くもん出版)、『脳と体の動きが一変する秘密の「かけ声」』(青春出版社)など多数。

文/横堀夏代 撮影/ヤマグチイッキ イラスト/岩並明里