オフィス調査によって働き方の課題を発見する

働き方改革11:正確な現状把握が改革の第一歩に

調査によって
課題の本質が明らかになる

働き方改革というと具体的な施策がクローズアップされがちですが、私たちコクヨでは、あらゆる取り組みのベースには調査があると考えています。そこで、お客さまの働き方改革を支援していくプロセスの一環として、オフィスにおけるさまざまな調査サービスを実施しています。

私たちが調査を行うのは、お客さまが感じている課題がなぜ起こっているのかを明らかにし、解決策を探るためです。さまざまな切り口からの調査によって、オフィスの実態が浮き彫りになり、課題が見えやすくなります。問題の本質が明確になれば、解決策を打ち出しやすくなります。

また、施策の前後に調査を行うことで、効果を検証しやすくなるメリットもあります。期待していた効果がみられない場合も、調査データが残っていれば次の一手を考えることが可能になるからです。

説得力のあるデータを得るため
定量と定性の調査を実施

「調査」と一口に言っても、実にさまざまな内容のものがあります。私たちがどのように調査を行い、課題に対する解決策を提案しているのかを説明するために、お客さまから近年ご相談が増えている「会議室の室数が足りない」という問題について、調査から提案までの流れを紹介しましょう。

私たちの調査は、施設の利用状況等を数値的に把握する定量調査と、関係各署へのインタビューをはじめとする定性調査の2種類に大きく分けることができます。会議室不足の問題を例にとるなら、会議室利用率などの数値を調べるのが定量調査、インタビューなどでワーカーの習慣や考え方の傾向などを明らかにするのが定性調査です。

調査期間は長くても1~2週間と限られていることが多いので、短期間でどれだけ説得力のあるデータを取得できるかが、提案内容の質に大きく関わってきます。課題の本質を明らかにするためには、定量・定性どちらの調査も大切だと私たちは考えています。

大まかに見えてきた課題を
実態調査でさらに深掘りする

インタビューやアンケートを行うと、どこに課題がありそうか大まかに見えてきます。しかし、解決策を提案するには、さらに実態を詳しく調査し、問題が起こっている原因を明らかにする必要があります。

そこで私たちは、見えてきた課題を深堀するための実態調査を行っています。会議室不足の例で言えば、会議が「いつ・誰が(どの部署が)・誰と(同じ部署・他部署・外部パートナーなど)・何人で・何のための会議を・どのくらいの時間」行われているのかを詳しく調査していくわけです。

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実態調査をもとに
利用状況に合わせた解決策を提案

詳しい実態調査をすることで、例えば「定員10名の部屋を2人で使っていることが多い」「月曜の午前中に会議が集中する傾向がある」「予約だけして実際に使われていないケースがみられる」といった会議室の具体的な利用状況が見えてきます。

この段階で私たちは、調査からわかった実態をもとに解決案を練り上げ、具体的な解決案をお客さまにご提案します。例えば、「少人数の社内打ち合わせがひんぱんに行われているので、定員10名の会議室数を小部屋にわけて2~4名用の会議室を増やしましょう」とか、「オープンスペースに打ち合わせコーナーをつくれば、予約なしで会議ができるし、空間を効率的に使えますよ」といった具合です。間取りやレイアウトに関してだけでなく、「月曜日の午前中に集中している定例会議の時間を分散してはいかがですか?」など運用面の提案をすることもあります。

IoTなども活用し
今後はさらに精度の高い調査を実現

働き方改革_11_02.jpg 働き方改革を推進していくうえで、施策に携わるメンバー間の課題意識や目標がバラバラだと、「どこから手をつけるべきか」「どのように進めていけばよいのか」といった方向性が定まらず、効果的な施策を打つことが難しくなります。しかし、調査によって現状や課題が「見える化」されていれば、メンバー間での目線合わせがしやすくなり、施策の優先順位や方向性がおのずと定まってきます。

そこで私たちは、さまざまな人にヒアリングを行ったり、オフィスでお客さまの働き方を観察したりするプロセスを大切にしながら、ていねいな調査を目指してきました。





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高木秀樹(Hideki Takagi)
コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部/スペースソリューション事業部/ワークスタイルコンサルタント。2002年入社。入社2年目より現職。コクヨ株式会社ワークスタイルイノベーション部所属。「顧客企業のワーカーが本当に働きやすい環境とは何か」という視点で、オフィスのみならず運用なども含めた全体計画立案から要件整理、現状把握のための各種調査、文書削減などを幅広くサポート。


2019.12.12
作成/コクヨ

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