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新しい働き方として注目されるABWとテレワークを比較しながら、「自社に導入するならどちらのスタイルがよいか」「オフィスや自宅以外での業務にあたってどんな場所を用意したらよいか」について解説します。
ABWとはActivity Based Workingの略で、業務の内容や気分に応じて時間・場所を自分で選んで働けるスタイルです。
確かに、最適な場所で働けるという点はテレワークと同じですね。ただ、テレワークは定められた就業時刻に働くのが基本ですが、ABWはいつでも最適な時間に働くことができます。1か月など定められた期間内で決められている総労働時間を満たせばよいので、例えば「今日は9~12時と、15~18時に仕事をしよう」といった感じで、日ごとに自分で働く時間を決められるわけです。
その通りです。ABWでは、自分が最も快適でパフォーマンスを発揮できる時間と場所を選択します。ですからテレワークに比べて、より自律的な働き方が求められるのです。
場所だけでなく時間も自分に最適な選択をして働くABWの方が、テレワークと比べて生産性がより上がると期待できます。ただし、労働時間の制約を取り払うとなると、労務管理体制や勤怠管理の仕組みなどを変える必要が出てきます。企業によっては「そこまでドラスティックな変革は求めていない」という場合もあるので、働き方を変えることで何を実現したいのかを再確認し、テレワークとABWのどちらを選ぶか決めるとよいでしょう。
ABWは本来、「時間と場所を自由に選択できるワークスタイル」のことです。ただし狭義では、「オフィス内で好きな場所を選んで働けるスタイル」を指すこともあります。ですから企業様とご相談しながら、場合によってはテレワークの導入前に「狭義のABW」をお勧めすることもあります。この場合従業員は、ソロワークができる集中エリアや、サッとミーティングができるオフィスラウンジなど、1人ひとりが業務の内容に合わせて社内のスペースを選び、仕事をします。
しかも同じオフィスにいるとわかっていれば、緊急で直接話したい用事ができたときも安心です。この状態に慣れてから、テレワーク、そして場所と時間を選択できるABWへと段階的に働き方を変えていくのも一つの方法ではないでしょうか。
テレワークの場合は、導入の目的によってコワーキングスペースを用意すべきかどうかは変わってきます。例えば「育児・介護中の従業員が働ける環境づくり」が目的なら、自宅でテレワークをする人が多いため、コワーキングスペースが必要とは限りません。一方で、「営業部門の効率アップ」を目指してテレワークを取り入れるなら、コワーキングスペースという場所の選択肢もあった方がよいでしょう。取引先からわざわざオフィスや自宅に戻らずコワーキングスペースを利用してテレワークを行うことで、隙間時間を有効に活用することが可能となり、効率的だからです。
ABWは、自分の業務に合わせて場所と時間を選ぶ働き方です。仕事のパフォーマンスを最大限に発揮するためには、働く場所の選択肢は多い方がよいと考えられます。オフィスと自宅以外に、コワーキングスペースを活用できるよう、会社側で制度を整えたいところです。
カフェなど不特定多数の人が出入りする場所だと、テレワークやABWで仕事をしているときにモニターをのぞき込まれて、機密情報が流出するといったリスクもあります。その点で法人契約ができるコワーキングスペースなら、セキュリティ面でも安心して仕事ができます。ABWもしくはテレワークを導入する場合は、働く場所の選択肢としてコワーキングスペースを検討してみるとよいでしょう。